台風19号 犠牲者の半数が70代以上、災害弱者の命どう守る

 台風19号では各地で河川が氾濫し自宅などで逃げ遅れるケースが相次いだが、こうした犠牲者の半数を70歳以上の高齢者が占めた。台風21号と低気圧の影響による25日の記録的な大雨でも、浸水した車から逃げ遅れて亡くなった5人のうち3人が80~90代だった。障害者も含めたこうした「災害弱者」の命をどう守るかという課題が、改めて突きつけられた。

 台風19号では、身元不明者らを除く犠牲者78人のうち39人が70代以上。うち80代以上は20人にのぼる。

 福島県いわき市では、自宅1階で妻と就寝中の男性(86)が死亡。妻は普段使わないベッドの上にとっさに避難したが、男性は足腰が不自由で間に合わなかった。茨城県大子町では、一人暮らしの女性(91)が事前に避難を勧められていたが、自宅にとどまり死亡した。

 高齢者らの避難支援をめぐっては、早期避難を促す動きが広がる。気象庁は19号の接近時に異例の事前警戒を呼びかけていた。7人が亡くなった福島県本宮市でも、台風が最接近する約半日前の12日午前10時に避難所を開設。同日午後2時には高齢者らに避難を求める「警戒レベル3」を発令するなどしたが、逃げ遅れる人が相次いだ。

 一方、障害があり電動車椅子でしか移動できない東京都港区の男性(67)は、台風19号の激しい大雨で避難できず、自宅で一夜を過ごした。区や病院に相談したが解決には至らず、「次はどうしたらいいのか」と訴える。

 こうした状況について、危機管理アドバイザーの国崎信江さんは「自治体によっては災害避難時に要支援者の情報を表記した地図を作成しているところもあるが、取り組みには差がある」と指摘。「日ごろの取り組みを通じて、住民の防災意識を高めることが大切だ」と話した。

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