千葉・福島豪雨 母死亡、兄の行方分からず 「早く見つかって」弟の悲嘆

 台風21号に伴う記録的な豪雨で福島県相馬市では、同市内に住むホテル従業員、花沢三保子さん(61)が死亡し、長男の正智(まさとし)さん(38)の行方が分かっていない。車で避難途中に流されたとみられ、次男の秀治さん(34)は「早く見つかってほしい」と悲痛な心情を明かした。

 関係者などよると、25日の大雨当時、職場のホテルにいた三保子さんは、病気で足が不自由な正智さんを避難させようと自宅へ戻った。ホテルに戻る途中の同日夜、三保子さんと連絡を取っていたホテル関係者が「流される」という言葉を聞いたのを最後に連絡が取れなくなった。

 三保子さんは翌26日朝、同市内の浜辺で遺体で見つかった。2人が乗っていたとみられる軽乗用車も浜辺から約2キロ離れた水田で発見されたが、正智さんの行方は分かっておらず、自衛隊や消防などが現場周辺を流れる川や海岸などで捜索を続けている。

 周辺住民らによると、車が見つかった現場周辺は当時、道路から約1・5メートルの高さまで冠水していたという。軽乗用車の近くには根本から折れたドアミラーが転がっており、濁流の強さを物語っていた。

 都内に住む秀治さんは26日朝、県警から連絡を受けた。「そんなわけない」と信じられず、三保子さんの勤務先に電話し息子であることを告げると、電話先の女性が泣き出したため、事実だと理解した。

 秀治さんによると、すでに亡くなった秀治さんの父は病気で入院しがちだったため、三保子さんは兄弟が幼いころから、仕事や子育てに奔走していた。「母の背中しか見ていない。真面目で、偉大な人だった」と悼んだ。

 正智さんは、病気で足が不自由になるなどの障害を抱えながらも、飲食店で勤務していたという。「弟思いで優しい、自慢の兄。早く見つかってほしい」。秀治さんはそう話し、涙をこぼした。

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