台風19号 江戸情緒伝えるイベント中止に 河川が氾濫 水運で栄えた栃木県栃木市

 栃木県栃木市で開かれる江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿にちなんだイベント「第9回歌麿まつり」の目玉の一つで、11月2日に予定されていた「歌麿道中」が、台風19号によって会場になる巴波(うずま)川が氾濫したため中止することが決まった。26日で2週間を迎える台風19号による豪雨被害が、江戸時代に水運で栄えた街に大きな影響を与えている。26日~11月4日の歌麿まつりは規模を縮小して開催する。

 歌麿まつりは、歌麿の作品が市内で複数発見されているほか、地元の豪商の依頼で作品を描いたと伝えられることから、市のPRとして始まった。特に、歌麿道中は歌麿や花魁(おいらん)などに扮(ふん)した艶やかな装いの市民らが、船で巴波川を移動し市内を練り歩く江戸情緒溢(あふ)れる目玉イベント。昨年からは外国人も参加し、市の国際交流にも貢献している。

 しかし、台風19号により巴波川が氾濫。地元観光の目玉にもなっているNPO法人「蔵の街遊覧船」の屋形船が損壊した。さらに巴波橋下流に土砂がたまり、中州のようになってしまったことなどから、船の運航を断念せざるを得なくなり、歌麿道中の中止を決めた。

 また、ほかの複数のイベントについても、会場が床上浸水したほか、多くの関係者が被災しているため中止を余儀なくされた。期間中は主に展示が中心となり、歌麿まつりは“華”を失ったかたちだ。

 歌麿まつりを主催する「歌麿を活かしたまちづくり協議会」の大木洋会長は、規模を縮小しつつも開催することについて、「協議会の会員も被災している人が多く、誰一人無傷ではないが、それでも取り組んでくれるのは本当にありがたい。災害に負けずに今後も続けていく」と話している。

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