台風19号 「猫神様」の寺、被害大きく 宮城・丸森町

 台風19号で多くの犠牲者が出た宮城県丸森町では、町の文化財として知られる石碑「猫神様」がある寺院も大きな被害を受けた。町では今後、文化財の被害状況を調査する方針で、被害を受けた寺院からは観光への影響を懸念する声が上がっている。

 同町観光案内所の富倉昌子さん(32)によると、同町では養蚕業が盛んになった江戸時代後期から、ネズミ対策としてネコが飼育されるようになったという。町内ではネコの姿などを彫り込んだ猫神様が約80基確認されている。

 台風19号による石碑への被害は現時点で確認されていないものの、富倉さんは「流失したものがないかなど、調査していきたい」と話す。

 避難所に指定されている同町立丸森小学校の近くにある西円寺には8基の猫神様があり、県内外からネコの愛好家が訪れる観光スポットになっていた。

 副住職の石龍俊紀さん(49)は「どの猫神様も破損することはなかった」と胸をなで下ろす一方、寺の裏山にあるお墓が土砂崩れで約20基流される被害を受けた。石龍さんは「雨が降れば、さらに土砂崩れが起きる危険性があるのではないかという不安がいつも頭の中にある」と肩を落とす。

 台風19号による土砂崩れなどが発生した愛敬(あいきょう)院(同町不動)には、1基の猫神様がある。猫神様も寺の本堂も被害を受けることはなく、住職の大江善光さん(62)は安堵の表情を浮かべたが、裏山では土砂崩れが発生した。

 大江さんは「まずは土砂を片付けなければならない」と自らに言い聞かせた上で、「紅葉のシーズンを控えていただけに、観光への影響が心配。今回の被害を教訓にして、対策を取っていかなければならない」と話した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ