台風19号 「自衛隊ありがとう」被災者から感謝の声、長野

 台風19号の豪雨で大きな被害が出た長野県内各地で、被災者が日常を取り戻せるよう、自衛隊が活動している。活動は被災者の捜索や救助、倒木や土砂の除去、伝染病を予防するための防疫、給水など多岐にわたっており、その姿に感謝の声が上がっている。(松本浩史)

 千曲(ちくま)川が氾濫して浸水の被害に遭い、いまだ再開できない長野市立豊野中学校では24日、九州・沖縄を担任する陸上自衛隊西部方面隊に属する第5施設団の隊員12人がグラウンドの整地作業に汗を流していた。

 豊野中は特に被害が大きかったため、西部方面隊は18日から復旧に当たっている。

 グラウンドでは油圧ショベルで流れ込んだ泥をかき上げ、ブルドーザーのようなバケットローダーがすくい上げて所定の場所に搬送。最後は整地用のグレーダーが平らにしていく。泥の処理は21日から着手。隊員の一人は「最初は一面に泥がかぶっている状況だった」と振り返る。

 24日午前は晴天に恵まれた。しかし、25日の天気予報は雨のち曇り。一部乾いた泥が雨でぬかるみ、グラウンドが再び使えなくならないよう、隊員たちは作業を急いでいた。

 また、千曲川の氾濫はグラウンド端にある排水用の側溝を泥で埋めた。西部方面隊第41普通科連隊の隊員がスコップでかきだして一輪車に載せ、別の隊員が運ぶ。校内にたまったとみられる水がひっきりなしに側溝に注ぎ込んでおり、泥は水気を多く含み重い。隊員は「乾いていた方が活動ははかどる」と話しながら、黙々と任務を遂行していた。

 河川氾濫後には、汚泥などで細菌やカビが繁殖しやすくなり、感染症のリスクが高まるとされる。そのため、校舎の前では、第4特殊武器防護隊の8人が、教室の防疫活動の準備をしていた。

 10キロ弱ある金属製の携帯除染器を使い、ハンドルを上下に動かして消毒液を散布する。教室などの屋内がすべて完了すれば、整地されたグラウンドでの防疫も控えている。

 班長の若杉洋亮1曹は「確実に防疫することが大切です。生徒たちのために貢献したい」と話した。

 自衛隊は台風の後、取り残された被災者をヘリコプターからワイヤを降ろして救出したりした。このほか、倒木や土砂で寸断された道路の復旧、避難所では給食や入浴の支援などもしている。

 豊野中の小林隆教頭は「大変ありがたいと思っています。復旧・復興に協力していただき、感謝している」と自衛隊の活動をたたえた。復旧・復興はまだ道半ば。活動が求められる出番が今後も待っている。

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