老人ホーム殺人、元職員の男に懲役16年判決 東京地裁

 東京都中野区の老人ホームで平成29年、入所者の男性を浴槽で溺死させたとして殺人罪に問われた元職員、皆川久被告(27)の裁判員裁判の判決公判が11日、東京地裁で開かれた。佐々木一夫裁判長は「介護の責任を放棄し、弱い立場の被害者の命をないがしろにした凶行」として懲役16年(求刑懲役17年)を言い渡した。

 皆川被告側は「殺すつもりはなかった」と起訴内容を否認。被害者の失禁を洗うために浴室に連れて行き、目を離した間に溺れたと主張していた。被害者は首の骨の一部が折れていたが「溺れた被害者の首を引っ張り上げたため」としていた。

 佐々木裁判長は、失禁は洗い流す必要のない程度だったほか、首を引っ張って救助するのは不自然と指摘。被告の訴えを退け「被害者を浴槽で溺れさせて殺害しようと考えていた」と認定した。

 地裁は検察が証拠請求した取り調べの録音・録画媒体について「直感的で主観的な判断に陥る可能性が高い」として映像部分を採用せず、音声だけを調べた。

 判決によると、皆川被告は29年8月22日、介護付き有料老人ホーム「ニチイホーム鷺ノ宮」で、湯を張った浴槽に自力で立ち上がれない藤沢皖(かん)さん=当時(83)=を入れて顔が漬かる状態にし、溺死させた。

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