目黒女児虐待死、父親被告人質問詳報(2)離れている間、食事たくさん食べ勉強せず…「怒りよりも強い形の暴力と威圧に」

 《東京都目黒区で昨年3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=を虐待して死なせたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親の雄大被告(34)に対する弁護側の被告人質問が続く》

 《結愛ちゃんは香川県の児童相談所から一時保護された。弁護人によると、雄大被告は児相の職員に「子供に手を出してはいけない」というようなことを書いた書類を提出。雄大被告もそうした内容は「100パーセント納得した」と振り返った》

 弁護人「児相との関係は?」

 雄大被告「私の中では信頼関係がうまく築けない、心を開けないと思っていました」

 弁護人「なぜですか」

 雄大被告「初回の面接で暴力の原因は血がつながっていないから、差別しているのではないかという問いかけがあり、偏見のある方なんだと思ったからです」

 弁護人「差別とは?」

 雄大被告「血がつながっている息子と、血がつながっていない結愛に対する差別かなと思いました」

 弁護人「児相についてどう思っていましたか」

 雄大被告「信頼関係を結べないですし、あまり良い印象はありませんでした」

 弁護人「その後、気持ちの変化はありましたか」

 雄大被告「なかったです」

 《その後、結愛ちゃんは再び児相から一時保護される。解除の際、幼稚園に通うことや週末には祖父母の家に行くことなどが条件とされたが、その条件は守られなかった》

 弁護人「幼稚園に行かせなかった理由はなんですか」

 雄大被告「東京に転居するので通う期間が短いし、周りから白い目で見られるかと嫌だったので行かせなかったのだと思います」

 弁護人「祖父母宅はどうしてですか」

 雄大被告「そちらの方が楽しい、家が嫌だといわれたくない思いで、受け入れるのは嫌だとそのとき思っていたんだと思います」

 弁護人「一時保護が終わった後、優里さんからどのような話を聞きましたか」

 雄大被告「少し距離を取って私に任せてほしいと言われました」

 弁護人「どうしましたか」

 雄大被告「受け入れるしかないと了承したんだと思います」

 弁護人「結愛さんとの関係はどうでしたか」

 雄大被告「全くうまくいっていないという感じでした」

 弁護人「優里さんの話を受け入れた後はどうでしたか」

 雄大被告「暴力はなくなりましたが、心の距離が離れ、よそよそしい感じになってしまったと感じました」

 弁護人「よそよそしいとはどういうことですか」

 雄大被告「私に対して敬語を使うようになりました」

 弁護人「どう思いましたか」

 雄大被告「あまりうれしくないなとは感じました」

 《結愛ちゃんと距離を取る中、雄大被告はアパートの契約などのために一足先に独りで上京。年明けには優里被告や結愛ちゃんも合流した》

 雄大被告「敬語を使うのを結愛がやめて、明るくしゃべりかけてきてくれました」

 弁護人「どう思いましたか」

 雄大被告「理由は分からなかったけれど、とにかく嬉しかったと記憶しています」

 《雄大被告と離れたことで、結愛ちゃんは明るくなったのだろうか。改善したかに思えた雄大被告と結愛ちゃんの関係は、しかし、すぐに再び悪化した》

 弁護人「そこから結愛さんとの関係はどうでしたか」

 雄大被告「おそらく1週間以内のどこかで、怒りなどを発してしまったことがあったと思います」

 弁護人「どうしてですか」

 雄大被告「些細なことで、離れている間に普段と違う行動を取っていたと本人から聞きました」

 弁護人「どういう行動ですか」

 雄大被告「食事をものすごくいっぱい食べて、勉強していなかったという内容だったと思います」

 弁護人「なぜ怒りになったのですか」

 雄大被告「勝手にしっかりやってくれていると思っていました。(雄大被告が)いないときだからこそ、きっちりやってほしいという思いがあったからだと思います」

 弁護人「どういう気持ちになりましたか」

 雄大被告「ものすごくつらくて悲しくて怒りがこみ上げてくるという感じです」

 弁護人「結愛さんにはどうなりましたか」

 雄大被告「怒りよりも強い形の暴力と威圧になっていったんだと思います」

 弁護人「2月以降の暴力は?」

 雄大被告「いろいろありますが、手で頭を叩いたり、蹴ったり、冷水を浴びせたり、いろいろな暴力でした」

 弁護人「頻度はどうでしたか」

 雄大被告「多かったという印象があります」

 弁護人「外出させていなかったという心当たりはありますか」

 雄大被告「はい」

 弁護人「なぜですか」

 雄大被告「私のそういったエゴを強要させるための手段として、言うことを聞かないと連れて行かないということをしてしまったんだと思います」

 弁護人「外出を一緒にできないとき、結愛さんはどうでしたか」

 雄大被告「特段記憶に残っていませんが、おそらくつらかったり悲しかったりしたんだろうと思います」

 弁護人「食事制限はどのようなものでしたか」

 雄大被告「例えば1食の日、3食の日とバラバラでした。量も一般的には少ない方だったと記憶しています」

 弁護人「炭水化物や肉、魚を禁止したことは事実ですか」

 雄大被告「おおむね事実だと思っています」

 弁護人「なぜ禁止したのですか」

 雄大被告「体重が増える要因になると思い込んでいたからです」

 弁護人「食事を減らした理由は結愛さんへの怒りもあったのですか」

 雄大被告「東京に来てから強くなりました」

 弁護人「体重を記録させたのはなぜですか」

 雄大被告「体重の増減を確認したり、本人に認識させるためでした」

 弁護人「船戸さんが確認する目的もあったのですか」

 雄大被告「本当に増えているのか減っているのかを視覚的に確認するためでした」

 弁護人「このくらい体重が減ったら問題だという医学的な知識はありましたか」

 雄大被告「全くありません」

 弁護人「結愛さんに確認させる目的もあったのですか」

 雄大被告「食べれば増える、食べないと減るということを認識させ、減ったということを理解させたかったのではないかと思います」

 弁護人「減ったのは良いことということですか」

 雄大被告「我慢ということをほめてあげる、無駄な事じゃないと感じさせたかったんだと思います」

 《雄大被告は結愛ちゃんにチャート図を示して「ルール」を教え込もうとしていた。モニターにはそのチャート図が映し出された。雄大被告によると、雄大被告が結愛ちゃんに質問し、聞き取った内容を書いたものだという》

 弁護人「どう作ったのですか」

 雄大被告「テーマを考えて質疑応答しながら結愛の発言を書いていきました」

 弁護人「ごはん、と真ん中に書かれていますね」

 雄大被告「例えば『ご飯をちょっとにしたらどうなる?』と。本人が答えたことを私が記入するという感じだったのでは、と思います」

 =詳報(3)に続く

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