繰り返される事件に児相の連携不足 法改正で体制強化 目黒女児虐待死、母親初公判

 児童虐待をめぐる死亡事件は繰り返され、その背景には、児童相談所の連携不足といった不手際も指摘されてきた。《もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします》。船戸結愛ちゃんがノートに鉛筆で記していた悲痛な訴えは、児相の体制強化や親による体罰禁止などの法改正の契機ともなった。

 結愛ちゃんは死亡する1カ月余り前に、香川県から東京都目黒区に転居。過去に香川の児相は、父の雄大被告からの虐待の疑いがあるとし、2度にわたり一時保護した経緯があり、情報は東京・品川の児相にも伝達していた。だが、品川の児相は家庭訪問したが、母の優里被告に面会を拒否され、結愛ちゃんと接触できないまま事件は起きた。

 厚生労働省の専門委員会が昨年10月にまとめた検証結果は、児相間の引き継ぎでは危険性の認識が不明確で「認識のずれが生じた」と連携不足を指摘した。

 児相の連携や情報共有の問題は虐待事件で多く指摘される。今年1月に起きた千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=虐待死事件も、市と児相の情報共有不足などが浮上。心愛さんは学校アンケートで父親からの暴力を訴えたが、市教委は、父にアンケートを開示、児相は一時保護を解除するなど対応が問題視された。鹿児島県出水市の大塚璃愛来(りあら)ちゃん死亡事件でも市が児相や県警にあざなどの情報を伝えていなかったとされる。

 繰り返される虐待に、政府は法改正に着手。今年6月に、改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が成立した。親権者や里親らによる「しつけ」としての体罰禁止を明文化。子供の安全を確保するため、一時保護する児相の「介入」機能を強化する。一部を除き来年4月から施行される。

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