川崎20人殺傷 男を書類送検へ カリタス小の接点や動機不明のまま

 川崎市多摩区でスクールバスを待つ私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件で、神奈川県警が2日、殺人と殺人未遂、銃刀法違反の容疑で、現場で自殺した岩崎隆一容疑者(51)を被疑者死亡のまま書類送検する方針を固めたことが分かった。捜査関係者によると、カリタス小を計画的に狙った可能性が高いことが外形的に判明したが、明確な接点や動機は捜査では浮かばなかった。

 書類送検容疑は5月28日午前7時40分ごろ、同区登戸新町の路上で、バス待ちの児童らを包丁で襲い保護者の外務省職員、小山智史さん(39)と同小6年、栗林華子さん(11)を殺害し、保護者の女性(45)と児童17人に重軽傷を負わせたとしている。

 捜査関係者によると、岩崎容疑者は家庭の事情で子供のころ、伯父夫婦に引き取られた。相当長期にわたり自室に引きこもる生活を続けていたとみられ、今年1月、伯父夫婦が将来を案ずる手紙を渡すと「ちゃんと生活している」と反発。その後、2月に外出し、現場に持参した4本の刃物のうち2本を一括購入した。

 その後の調べで犯行直前の5月24日のほか、22日には現場とカリタス小付近を歩く容疑者の姿が防犯カメラに捉えられていたことが新たに判明。同小を計画的に狙った可能性が浮上した。さらに関係者によると、容疑者には、同小に通っていた親族もいることも分かったという。

 県警は2度にわたり家宅捜索を実施。関係者ら約390人からも事情を聴いたが、明確な犯行動機は見いだせなかった。捜査関係者は「伯父夫婦の手紙が発端との見方もあるが犯行はその約4カ月後。なぜあの日に犯行に及んだのかも説明できない」と話す。また、県警は捜査員延べ約2100人を投入して、容疑者の生活実態も追ったが、約30年前に東京都町田市のマージャン店で一時働いていた以外は、外部との接点はほぼ確認できなかったという。

 事件の全容が判然としないまま、多摩署に設置された捜査本部は2日、容疑者の書類送検を受けて解散する。

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