京アニ容疑者発言「ぱくられた」可能性低く 各社投稿取り扱いは厳重・慎重

 ■溶解処理など徹底

 同社のように創作物の一般公募や「持ち込み」を受け付ける例は別のコンテンツ産業でもみられるが、総じて「盗作騒動」を回避するための危機管理策を講じている。

 京アニ作品「響け!ユーフォニアム」の原作小説を出版する宝島社(東京)は、公募で集まった作品は一定期間保存後、溶解処理するなどしている。また、公募時期以外に作品を提出する「持ち込み」は「基本的には断っている」(同社広報担当)という。

 新人発掘の手段として漫画作品などの「持ち込み」を受け付ける出版大手「講談社」(東京)の場合、同社広報担当によると、「持ち込み作品の多くは原稿を預かった後に本人にその場で返却する」。「盗作ではないか」と指摘を受けた際は「作者の完全なオリジナルだと丁寧に伝え、理解してもらう」という。

 一方、大手アニメ制作会社の「サンライズ」(東京)は、一般からの作品・企画などの提案は受けておらず、作品が一方的に送られてきた場合は「企画制作に関わらない部門の担当者が返送する」(同社担当者)。無用なトラブルを避けるためのリスクヘッジの一環だろう。

 このほか、「ピーエーワークス」(富山)や「エーワンピクチャーズ」(東京)など他のアニメ制作会社の多くは、ホームページ上にオリジナル作品の持ち込みは原則受け付けていないと掲載している。

 ■「著作権侵害あたらず」

 著作権問題に詳しい内藤篤弁護士(第一東京弁護士会)によると、著作権侵害に該当するのは、社内の企画制作の担当者が「明らかに投稿作品を参考に制作している事実が認められる場合」とした上で、「展開やセリフの部分的な一致、キャラクターの名前の共通程度では“ありふれた表現”の一致と捉えられ、著作権侵害にはあたらない」と指摘。

 今回の場合は、京アニ側が投稿作品について社内で共有していなかったとしている点を考慮し、「制作陣と共有されていなかったのであれば、著作権侵害にはあたらないのではないか」との見方を示した。

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