京アニ作品の“聖地”で、ファンが色紙にしたためた言葉は…

 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ、本社・京都府宇治市)第1スタジオで起きた放火殺人事件から1カ月余り。京都市内の映画館では、京アニの全作品を上映する取り組みも始まっている。関西にある京アニ作品の聖地を訪ね、ゆかりの人やファンに、それぞれの思いをしたためてもらった。

 「涼宮ハルヒの憂鬱」の聖地、兵庫県西宮市の喫茶店「珈琲屋ドリーム」店主の細海章子さん(62)は「夢」「支」「要」の3文字を選んだ。「『夢なら覚めてくれ』という思いだったが、現実を受け止めるしかない。時間がかかるけれど、亡くなった人の遺志を継ぎ、立て直してもらいたい」と願う。

 「たまこまーけっと」のモデルとなった京都市の出町桝形商店街の商店街組合元理事長の井上淳さん(73)は、「歳月は人を待たず」と書いた。「世界に感動を与えてきた若い人たちのように『人のために何かできているだろうか』と、自分を省みるようになった」と作品が自分に与えた影響を語った。

 「響け!ユーフォニアム」で主人公らが所属する吹奏楽部のモデルとなった宇治市の東宇治高校吹奏楽部顧問の近藤和郎(かずお)さん(42)は「縁」を選んだ。「(京アニスタッフの仕事ぶりに)ここまでするのか、と驚いた。これがプロの仕事なのだなと感じたのを、今も覚えている」と話した。

 その「響け-」の聖地となった同市の商店主らでつくる「宇治源氏タウン銘店会」会長の池本将孝さん(35)と副会長の通円祐介さん(38)が選んだのは「響」。池本さんは「京アニの作品は世界中に影響をもたらしている」、通円さんは「ファンはユーフォニアムをきっかけに宇治の街も好きになってくれた」と理由を話す。

 思いはファンもさまざまだ。「響け-」を通じ、地域とアニメファンをつなぐ活動を行う京都文教大(同市)の学生らによる「響け!元気に応援プロジェクト」のメンバー、同大3年の兵藤藍さん(21)はシンプルに「応援してます」と書いた。「京アニ作品は背景の繊細さがすごい。ファンとしてずっと応援したいし、被害に遭われた方には一刻も早く回復してほしい」と願う。

 「響け-」の「聖地巡礼」をしていた堺市の大学生、織田恵輔さん(18)が選んだのは「感謝」。「京アニの作品を通して、人とのつながりの大切さを教えてもらった」と話した。「負けないで」と書いたのは、「AIR」の聖地、和歌山県美浜町でコスプレイベントなどを主催する同県御坊市のポップカルチャーカフェ店主、山本琴美さん(29)。「悲しみが大きすぎて、言葉で表現することができない。アニメは日本の誇る文化。理不尽な犯行なんかに負けないでほしい」と力を込めた。

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