京アニ放火 発生1カ月 追悼と回復の祈り続く

 35人が犠牲になり34人が負傷した京都アニメーション(京アニ)の第1スタジオ放火殺人事件は、18日で発生から1カ月となった。負傷者のうち8人がいまなお入院中で、3人は生命の危険がある重篤な状態が続き、懸命の治療が行われている。この日も、現場となった京都市伏見区のスタジオや近くの献花台には、数多くのファンや地域住民らが訪れ、犠牲者の冥福を祈るとともに、負傷者の回復を祈った。

 「1カ月たっても悲しみは消えない」というのは、京都府宇治市の京アニ本社近くに住む男性会社員(46)。「多くの命が理不尽に奪われてしまった」と肩を落とし、「傷が癒えるには時間がかかると思うが、ゆっくりでいいのでまた新たな一歩を歩み出してほしい」と話した。

 京都市左京区の高校1年、森田温(のどか)さん(16)は「大好きだという気持ちが伝われば」と、京アニ作品「けいおん!」のイラストが描かれた色紙を供えた。魅力的なキャラクターが生き生きと動く作風に引き込まれ、京アニ作品のファンになったといい、「素晴らしい作品と出あわせてくれてありがとう」と感謝の言葉を口にし、犠牲者を悼んだ。

 「気持ちの整理がつかず、受け入れられなかった」。悲しみに暮れる日が続いたという兵庫県尼崎市の女子高校生(18)は、1カ月がたってようやく気持ちが落ちつき、献花台に足を運んだ。「前向きに生きるきっかけをくれたのが京アニ作品だった。作品を作った方々の安らかな眠りを祈った」と目に涙を浮かべた。

 大阪府箕面市の会社員、吉田大樹さん(45)も京アニが作る、明るく元気あふれる作品に支えられてきたという。事件後、京アニ作品を何度か見返したが「楽しいはずのアニメを見ても、悲しい気持ちが込み上げてくる」。「今は一日も早い回復を祈るしかない」と被害に遭った京アニ社員らを思い、声を詰まらせた。

 献花台には留学生など海外のファンも訪れ、追悼の祈りをささげていた。台湾から来日した陳俊谷さん=京都市左京区=は、京アニ作品がきっかけで京都に日本語留学することを決意。事件発生時は、京アニ作品「響け!ユーフォニアム」のゆかりの地をめぐっていた最中だったといい、「なぜ京アニが被害に遭ったのか今でも納得できない。今でも悲しみが止まらない」と悔しさをにじませた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ