京アニ放火 「着色のプロ」津田幸恵さんも犠牲に 父親「現実を突きつけられると、やはり胸が苦しい」

 京都アニメーションの放火事件で、事件に巻き込まれた同社員の津田幸恵(さちえ)さん(41)の死亡が確認されたことが26日、家族への取材でわかった。京都府警から家族に連絡があったという。父の伸一さん(69)=兵庫県加古川市=は「覚悟はしていたが、現実を突きつけられると、やはり胸が苦しい」と話した。

 伸一さんによると、24日午後、府警から携帯電話に「幸恵さんの遺体が確認されました。DNAが一致しました」と連絡が入った。伸一さんは「百パーセント死んでいると覚悟はしていたが、もう二度と会えない現実を突きつけられると、やはり胸が苦しく、言葉が何も出なかった」と振り返ったが、「つらすぎてそのときの感情は忘れてしまった」とも話した。

 25日に府警の担当者から事件の内容説明があり、津田さんの遺留品としてバッグを手渡された。黒地で、端に花柄模様のある小さめの肩掛けバッグ。中には、カードと現金が入った財布、免許証、少しの化粧品があったという。

 バッグのショルダー部分は焼け焦げてなくなっていた。亡くなったときに肩にかけていたとみられるといい、伸一さんは「熱かっただろうに、しんどかっただろうに」とまな娘(むすめ)への思いを募らせた。

 ■ファンら追悼

 津田さんは、国内外で高評価を受ける京アニの映像の絵を仕上げる「着色」を務めていた。20年以上にわたって活躍し、京アニの名を広めた「涼宮(すずみや)ハルヒの憂鬱」や劇場版「映画けいおん!」などに参加。同社の作品だけでなく、「クレヨンしんちゃん」や「名探偵コナン」など誰もが知る人気作品にも携わり、ファンも多い。

 SNS(会員制交流サイト)上には、「素晴らしい作品の数々をありがとう、ご冥福をお祈りします」など、大勢のアニメファンを生み出してきた「職人」の死を悼むコメントが多く寄せられた。

 ツイッターにも津田さんが着色を手掛けたアニメ情報誌のイラストや京アニ作品グッズなどの写真が掲載され、「津田さんが作った大切な作品、一生大切にします」「美しい絵や作品で夢を与えてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝える言葉があふれた。

 今月上旬には、津田さんが関わった劇場版「Free!-Road to the World-夢」が公開。津田さんはファンへのメッセージボードに「それぞれの場所、それぞれのペースで真っ直ぐ夢へと向かう彼らの姿 是非劇場でお楽しみ下さい!」とつづっており、このメッセージを撮影した写真とともに「素晴らしい作品をありがとう」「何度でも見たい作品でした」とする投稿も相次いだ。

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