覚醒剤使用の女性に無罪 取り調べの録音・録画を検討し信用性否定

 名古屋市のホテルで覚醒剤が含まれた水溶液を知人の20代男に注射してもらったとして、覚せい剤取締法違反(使用)罪に問われた50代女性に名古屋地裁は12日、「男の暴力に恐怖心を抱き、拒絶できなかった可能性を否定できない」として、無罪判決を言い渡した。求刑は懲役1年6月。

 検察側は「男の望むことをしてあげたく、注射した」とする供述調書を証拠提出したが、岩田澄江裁判官は取り調べの録音・録画を検討し「女性が(取り調べで)繰り返し述べた男からの暴力や恐怖心の記載が調書にはなく、供述を正確に記録したものではない」と信用性を否定した。

 岩田裁判官は、女性が犯行前の約2カ月間、男から殴る蹴るなどの激しい暴行を複数回受け、暴力を避けるため男の金銭要求に応じ計約1千万円を渡していたと指摘。男の勧めで覚醒剤を使用した当時は「男の意に反する行動を取ることが困難な心理状態だった」と述べた。

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