絶えない施設での殺人や暴行 大阪・茨木の障害者施設暴行死

 障害者施設や介護施設で、入所者が被害に遭う事件は後を絶たない。本来は入所者を守るべき施設職員らによる虐待も増加傾向にあり、専門家は「日々のストレスなどのはけ口が、弱い立場の入所者に向けられることもあるのではないか」と指摘する。

 厚生労働省によると、全国の障害者施設職員から虐待を受けた利用者は増加傾向にあり、平成25年度の455人から29年度は666人に。身体障害者や精神障害者と比べ、知的障害者の被害が多いという。

 言葉などによる心理的虐待もあるが、暴行による身体的虐待が半数以上を占め、被害者が死亡するケースもある。

 大阪府寝屋川市の障害者施設で昨年6月、入所者の男性=当時(45)=が腰の骨を折るなどして死亡。府警は男性に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死容疑で職員の20代の男を逮捕した。

 先月22日には、東京都品川区の介護付き有料老人ホーム「サニーライフ北品川」で、入所者の男性=当時(82)=に暴行を加えて殺害したとして、殺人容疑で元職員の20代の男が逮捕された。

 28年7月には、神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者ら45人が殺傷される事件が発生。逮捕された元職員の植松聖(さとし)被告=殺人罪などで起訴=は調べに、「不幸をつくる障害者は、殺害すれば日本のためになる」などと供述した。

 関西国際大の中山誠教授(犯罪心理学)は「高齢者や障害者は被害を受けてもすぐに声を上げられず、重大な事態になってから発覚することも多い」と指摘。施設の職員らについて「激務の割に給料は高くないことが多い。それらの不満が入所者に向けられることも考えられる」とした上で、「それが入所者への暴行の言い訳には決してならない。社会全体で職員の待遇改善をさらに進めていくことが必要なのではないか」と話している。

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