川崎20人殺傷事件 襲撃犯「孤独の40年間」の行動

 スクールバスを待つ小学生に次々に襲いかかり、両手に持った刺身包丁で20人を殺傷した凶悪犯、岩崎隆一(51)。彼をめぐる報道を見ていると、違和感が拭えない。なぜ、中学時代の写真しかなく、それ以降の足取りが一向に掴めないのか。40年にもわたる孤独の深淵に迫った。

 事件の発生直後、現場に向かった本誌記者は、岩崎容疑者の自宅の電話番号を入手。事件発生から約3時間後、記者は電話をかけた。

 --岩崎さんのお宅ですか。

 「……うん」

 年配の男性が応対した。岩崎容疑者の父親かと思った記者は、こう聞いた。

 --こちらに隆一さんという息子さんはいますか?

 「……いるような、いないような」

 --警察から連絡は?

 「警察? 今、来ていますよ」

 --事件についてですが。

 「事件についてっていうけど、事件のことなんて何もわかりませんよ」

 --事件の前は自宅にいたのでしょうか。

 「ほとんどいません、今はいない」

 --ご一緒には暮らしてなかったんですか。

 「暮らしてるっていうものじゃないですね」

 --どういう関係ですか?

 「何だろう。いいじゃないですか、どういう関係でも」

 その後、記者の話を断ち切るように電話は切れた。父親と思われた年配の男性から聞こえてくるのは、岩崎容疑者との“近くて遠い距離”を窺わせる言葉ばかりだった。近所に住む50代男性の証言がそれを裏付ける。

 「隆一は僕の5歳年下で、昔は遊んだこともあります。その頃は隆ちゃんと呼んでいて、大人しい子でした」

 男性は続けて、地元ではそれなりの名士だという岩崎家の事情を明かした。

 「今あそこに隆一と住んでいるのは、彼の伯父伯母にあたる夫婦です。あの家は50年以上前からあって、このあたりではかなり古いほう。以前は隆一の祖父母と伯父伯母、その子供たちで住んでいた。隆一は別の場所で両親と住んでいましたが、隆一のおばあちゃんが一家について絶大な力を持つ厳しい人で、隆一のお母さんと折り合いが悪く、やがて両親は離婚することになった。おばあちゃんは、僕らが野球してて家にボールが入ったら怒鳴り散らされたり、このあたりでは恐れられていた存在でした」

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