通勤客ら足止め手合わせる「許せない」 一夜明けた現場

 通学途中の児童らが狙われた川崎市多摩区の無差別殺傷事件から一夜明けた29日朝、現場では小雨が降る中で、通勤・通学途中の人々が花を手向け、手を合わせる姿が見られた。「自分が刺されていたかも」「許せない」。不安と憤りが交錯した。

 現場は、小田急小田原線登戸駅近く。被害にあった私立カリタス小は、系列の幼稚園などを含め、31日まで休校の措置を取り、児童らの姿やスクールバスの往来はなかった。

 事件発生と同時間帯の午前7時40分ごろには、県警の捜査員ら約5人が現場周辺を歩く会社員らに次々と声を掛け、事件を目撃していないかなど、聞き込み姿が見られた。

 事件発生時に近くのコンビニエンスストアにいたという同市の女子高生(16)は、店内になだれ込んでくる小学生たちの姿を見た。

 子供たちの中には、切られて血を流した女児の姿もあり、店内にいた女性客らと共に、手当などにあたったという。「もしかしたら自分も刺されていたのかもしれない。恐ろしい」。顔をこわばらせた。

 学校側は事件を受けて休校の措置を取ったほか、6月の6年生の宿泊行事を中止。さらに、スクールカウンセラーを増員して児童らの心のケアにあたる方針を示している。

 ただ、通学途中の児童が突然狙われた事態に動揺は広がっている。「スクールバスの待ち時間を短くしてほしい」「別の場所からもバスを出してはもらえないか」。28日夕の保護者会では、不安を訴える声が相次いだとされる。

 また、児童らが無事に登校したことが分かるシステムの導入を求める声もあったという。

 現場では、一夜明けたこの日も、手を合わせる人の姿が絶えず、たくさんの花束やお菓子、ジュースが並んだ。「どんな理由があっても許せない」。献花に訪れた女性会社員(31)は身勝手な犯行に、改めて怒りをにじませた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ