神戸連続児童殺傷「弱者に優しい時代に」土師守さん手記全文

 神戸市須磨区の連続児童殺傷事件で、土師(はせ)淳君=当時(11)=が殺害されてから24日で丸22年となるのに合わせ、父親で医師の守さん(63)が弁護士を通じて報道各社に手記を公表した。23回忌の節目とともに元号が平成から令和に変わったが、それでも変わらない我が子への思いと新しい時代への願いをつづった。

 手記の全文は次の通り。

 この5月24日は、私たちの次男の「淳」の二十三回忌になります。元号が平成から令和に変わりましたが、私たち家族の子どもへの想いは変わることはありません。

 今年も、加害男性からの手紙は届いていません。以前から言い続けていることですが、なぜ私たちの次男の命が奪われなければいけなかったのか、という問題について私たちは真の解答を求め続けています。そのためには、加害男性が、自らが犯した残忍な犯罪に向き合い、真実を導き出す必要があると思いますが、その手段として私たちに手紙を書くという行為は重要な意味を持つことだと私は考えています。この問題の解答を得ることは難しいことだと理解していますが、今後も諦めずに求め続けていきたいと思います。

 昨年6月に解散した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」は、2000年に元日弁連副会長の岡村勲弁護士を中心にして設立され、18年間の活動期間の中で、犯罪被害者を取り巻く環境を劇的に変えた団体であったと思います。「あすの会」は、被害者問題においては大きな幹の部分を作ったことは間違いありませんが、被害少年やそのきょうだいたちへの支援、自治体の犯罪被害者支援条例の制定の推進など多くの課題が残されていると思います。関西では元「あすの会」会員有志で「つなぐ会」を設立し、被害者問題に継続的に関わっていこうとしています。私も参加していますので、今後も被害者問題の改善に向けて可能な範囲で活動を続けていきたいと思っています。

 この5月1日で元号が「令和」に改元されました。「平成」は、少年による事件も含め、凶悪な犯罪が数多く発生した時代でもありました。新しい「令和」の時代は、犯罪被害者を含め弱者に優しい、そして暮らしやすい時代になってほしいと願っています。

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