神戸連続児童殺傷22年「被害者のため活動続ける」土師淳君の父

 平成9年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、土師(はせ)淳君=当時(11)=が殺害されてから24日で丸22年となる。父親で医師の守さん(63)が産経新聞のインタビューに応じ、「犯罪被害者が直面する課題はまだある。解散した『全国犯罪被害者の会』(あすの会)の活動を後世に伝えたり、自治体に被害者支援条例制定を呼びかけていく活動など、できることを続けたい」と話した。

 「悲しみは消えることはないし、『なぜ息子が殺されなければならなかったのか、親として真実を知る責任がある』と、ずっと思い続けています」。そう話す守さんだが、淳君の23回忌に当たる今年、一つの「区切り」をつけた。毎月、月命日に行っていた供養を今年4月で終えた。

 加害男性(36)の「反省」や「更生」の状況が遺族側に伝えられることはなく、手紙や連絡すらない音信不通の状態が、29年春ごろから続いたままだ。加害男性の両親の弁護士のもとにも連絡はないという。

 守さんが幹事を務めたあすの会は、犯罪被害者や遺族が刑事裁判に参加できる被害者参加制度の創設などに大きく貢献。昨年6月に解散後、関西の犯罪被害者や遺族が中心になって「つなぐ会」が設立された。

 守さんも参加して毎月1回集会を開催。大阪市が制定を進める犯罪被害者支援条例について話し合うほか、シンポジウムも計画する。守さんは現組織名にもなった“つなぐ”ことの意味にも触れ、「政策集団として法律の改正案を打ち出して実現させ、市民運動として成功した『あすの会』の活動を、身を置いて知っている私たちが、後世の人に伝えていかないといけない」と話す。

 今秋には3人目の孫が生まれる。医師として忙しい日々を送るが、24日は静かに過ごす予定という。家族の中で事件の話が出ることはないが、淳君への思いが変わることはない。

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