小4虐待死母被告人質問(3完)「旦那に怒られると思い、嘘書かせた」

 《千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が死亡した虐待事件で、傷害幇助(ほうじょ)罪に問われた母親のなぎさ被告(32)の初公判は、弁護側の質問が終わり、検察側の質問に移った。証言台に立つなぎさ被告は、両手を震わせている》

 検察側「大丈夫ですか」

 被告「はい」

 検察側「なぜ今、裁判を受けているのかわかる」

 被告「はい」

 検察側「(父親の)勇一郎被告(傷害致死罪などで起訴)の虐待を手助けしていたとわかりますか」

 被告「はい」

 検察側「いつ虐待していたと気がついたのですか」

 被告「千葉に引っ越してすぐのころです」

 検察側「当時、もう次女は生まれていましたね」

 被告「はい」

 検察側「次女への虐待はあったのですか」

 被告「ありませんでした」

 検察側「次女のことは、かわいがっていたということですか」

 被告「はい」

 検察側「心愛さんだけを虐待した理由を、あなたとしてはどう思っていますか」

 被告「(沈黙の後)もう一度お願いします」

 検察側「虐待する方としない方があるのはどうしてだとあなたはどう考える」 《再び沈黙するなぎさ被告》

 検察側「思い当たるところはあるか」

 被告「(沈黙の後)次の質問お願いします」

 検察側「簡単に答えてくれたらいい。どんな虐待があったか、いくつか具体的に教えて」

 被告「長時間廊下に立たせたり、お風呂場の前に立たせたり、あとは…」

 検察側「例えば直接の暴力はなかったか」

 被告「暴力は見たことない」

 検察側「プロレス技は」

 被告「見ました」

 検察側「実際にありましたか」

 被告「はい」

 検察側「暴力を受けているとは思わなかった」

 被告「あざができていて、暴力を受けているのではと思った」

 検察側「やったのではないかと思った内容は、調書の通りでいい?」

 被告「はい」

 検察側「本当はどうしたら良かったと、今思うことは」

 被告「警察に通報するか、もしくは児童相談所や母や兄弟などに相談や連絡していればよかったのかなと思う」

 検察側「自分で勇一郎被告を止めるのは難しかったか」

 被告「はい」

 検察側「でも、他人にどうにかしてもらうことはできたということか」

 《黙り込むなぎさ被告》

 検察側「話を変えるけど、あなたはそうやって『こうすればよかった』と話すが、『アンケートを見せてもいい』、『叩かれたのは嘘』と、あなたが心愛ちゃんに書かせた」

 被告「はい」

 検察側「心愛ちゃんの気持ちを考えたか」

 《再び黙り込むなぎさ被告》

 検察側「勇一郎被告と協力する関係だったのでは」

 《沈黙するなぎさ被告》

 被告「心愛の気持ちは考えました」

 検察側「では、なぜ書かせた」

 被告「…。旦那に怒られると思ったからです」

 検察側「そこは心愛ちゃんより、その気持ちを優先したのか」

 被告「はい」

 検察側「今回亡くなる前のLINE(ライン)を見ると、飲み物をねだられたのをとがめるようなラインをしてるけど、どういう気持ちだったの」

 《沈黙するなぎさ被告》 検察側「あなたは供述では、心愛ちゃんにストレスをぶつけることもあったとあるが、そういう側面もあったのでは」

 被告「ありました」

 検察側「起訴内容を簡単に聞くが、最後に食事させたのはいつ」

 被告「覚えていません」

 検察側「起訴状の期間中、2~3日与えなかったとあるが、間違いないか」

 被告「2~3日ではなくて1週間以上与えていなかったことを、取り調べのときに気がつきました」 

 検察側「宅配レストランは与えたのでは」

 被告「あった」

 検察側「それが最後か」

 被告「はい」

 検察側「10歳の子に食事を与えないと、大変なことになるとわからなかった」

 被告「…」

 検察側「10歳の子に数日食事を与えなかったらどうなるか、想像つきませんか」

 被告「つきます」

 検察側「なぜあなたと勇一郎被告はそこまでのことをしたんですか。あなたはどういう心境だったんですか。」

 《黙り込むなぎさ被告》

 検察側「事件当時、1月でお風呂は暖房がなくて寒いんですよね」

 被告「はい」

 検察側「冷水をかぶったらどれだけ大変か、当時もわかるよね」

 被告「はい」

 検察側「勇一郎被告を恐れていた事情はあっても、心愛さんを守らなきゃいけない状況ではなかったんですか」

 《黙り込むなぎさ被告》

 検察側「最後に1つだけ。心愛ちゃんは結局亡くなったが、あなたに助けて欲しかったとは思いませんか」

 被告「はい」

 検察側「何かあなたの立場から心愛ちゃんに言えることはあるか」

 《沈黙が続く》

 検察側「今、勇一郎被告に対してどう思っているか。好きなのか、離婚しようと考えているのか」

 《再び沈黙が続く》

 検察側「はっきり言えないと言うことは、心境は複雑なのか。そんなに難しくないよね」

 被告「はい」

 検察側「勇一郎被告との関係をどうするのか、最後に教えて下さい」 

 《なぎさ被告は最後まで、勇一郎被告との今後の関係については語ろうとしなかった。ここで裁判長が、なぎさ被告に質問する》

 裁判長「心愛ちゃんは、あなたをなんと呼んでいた?」

 被告「ママと呼んでいた」

 裁判長「彼女にしてあげた最後のお母さんらしい優しいことは」

 《沈黙するなぎさ被告》

 裁判長「あまり思い出せないか…。あなたが彼女にひどいことをしたのはわかるか」

 被告「はい」

 裁判長「お腹がすいて、立っているのもつらかっただろう。痛い、助けてと亡くなる直前に言わなかったのか」

 被告「亡くなった状態を見たので…そういったことは聞かなかった」

 《質問を理解できているのかわからないともとれる返答をするなぎさ被告》

 裁判長「訴えてきたり、助けてほしいという思いをくみ取れなかったか。1月22日から(心愛さんが死亡した)24日にかけて。思う出せないか」

 《最後の質問にも、なぎさ被告は応えず、被告人質問は終了した》=完

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