小4虐待死母被告人質問(2)「出て行っても連れ戻されると…」夫への恐怖、憔悴し一時休廷も

 《千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が死亡した虐待事件で、父親の勇一郎被告(41)=傷害致死罪などで起訴=が心愛さんに暴行を加えているのを知りながら制止しなかったなどとして傷害幇助(ほうじょ)罪に問われた母親のなぎさ被告(32)。千葉地裁で16日開かれた初公判では、なぎさ被告に対する弁護人からの被告人質問が続く》

 弁護人「(勇一郎被告から心愛さんへの暴力を)止めようとしたことはありますか」

 なぎさ被告「あります。これ以上やらないで、やめてと言いました」

 弁護人「通報すると言ったことはありますか」

 なぎさ被告「それもあります」

 《勇一郎被告が心愛さんに暴力をふるうのを「制止しようとした」と主張するなぎさ被告。だが、勇一郎被告は、暴力の矛先をなぎさ被告に向けてきたという》

 弁護人「そうすると勇一郎被告はどうしましたか」

 なぎさ被告「胸ぐらを捕まれて床に押し倒され、(勇一郎被告が)馬乗りになって…『苦しい』と言うと、口の中に膝掛けを押し込まれました」

 弁護人「心愛さんを連れて出ようと思ったことはありませんか」

 なぎさ被告「ないです」

 弁護人「それはなぜですか」

 なぎさ被告「出ていっても、行き先がばれたりして連れ戻されると思いました」

 《連れ戻されることを恐れ、心愛さんとともに逃げなかったというなぎさ被告。被告人質問に先立ち行われたなぎさ被告の母親に対する証人尋問でも、母親は「(なぎさ被告が)結婚後、何度か勇一郎被告から離れて実家に戻ってきたが、連絡なくいつの間にか戻り、一緒に暮らしていた」と証言。なぎさ被告は「仕事を辞めさせられたり、携帯をチェックされたり、行動を監視されている」と母親に訴えていたといい、勇一郎被告が暴力だけでなく、日常の隅々までなぎさ被告らを監視、支配下に置いていた様子がうかがえる》

 《弁護人の質問は、なぎさ被告と心愛さんとの関係に移る。なぎさ被告はティッシュを握る手を震わせながら、消え入りそうな声で応じた》

 弁護人「あなたから見て、心愛さんはどんな子でしたか」

 なぎさ被告「優しくて、いつも笑顔で明るい子でした」

 弁護人「千葉に来てからはどうでしたか」

 なぎさ被告「(感極まったように泣き声で)正直あまり元気ではなさそうで、暗い感じがしました」

 弁護人「(勇一郎被告から離れ、なぎさ被告の母らと暮らしていた)沖縄では笑顔だったんですか」

 なぎさ被告「はい」

 弁護人「千葉に来て亡くなるまでの間、心愛さんが笑顔だった(時間は)は長かったですか、短かったですか」

 なぎさ被告「…」

 弁護人「心愛さんが笑っている姿は思い出せますか」

 なぎさ被告「はい」

 弁護人「泣いている姿や苦しそうな姿は思い出せますか」

 なぎさ被告「はい」

 弁護人「今、心愛さんについえ思っていることお話できますか」

 なぎさ被告「…」

 弁護人「言葉にするのは難しいですか」

 なぎさ被告「…」

 《手に持ったティッシュで時折鼻をぬぐうが、なぎさ被告は弁護人からの質問に答えられなくなる。見かねた裁判長が5分間の休廷を宣言。なぎさ被告を休ませ、再び質問が再開された》

 弁護側「あなたは最近になって、飲んでいる薬は増えましたか」

 なぎさ被告「はい」

 《なぎさ被告の母親の証人尋問によると、なぎさ被告は勇一郎被告から離れて沖縄の実家で生活していた頃、精神科の病院にも入院していたという》

 弁護人「なぜ増えたか分かりますか」

 なぎさ被告「幻聴が聞こえていたので増やしました」

 弁護人「薬を飲むと頭がぼんやりしたり、回らなくなる感覚がありますか。今もそうですか」

 なぎさ被告「はい」

 《ここで弁護人の質問が終了。続いて検察官の質問に移った》

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