「ママ、ママ」繰り返す園児、次第に意識薄れ 大津事故

 事故発生直後の午前10時15分すぎ、近くのホテルで働く女性(36)が現場に駆けつけると、子供たちが泣き叫び、保育士らしき女性が呆(ぼう)然(ぜん)とした様子で立ち尽くしていた。

 園児のものとみられる水筒や靴が散乱し、大きくひしゃげたフェンスが事故の大きさを物語っていた。衝撃的な光景に、女性は「けが人がたくさんいます」と消防隊員に伝えるのが精いっぱいだったという。

 現場には、周囲の施設の職員や車のドライバーらが次々と集まり、救助に当たった。AEDや人工呼吸を試みる人の姿もあり、通報を受けて駆けつけた消防隊員は、容体から搬送の優先順位を判断する「トリアージ」に慌ただしく走り回った。

 近所にあるボートクラブを訪れていた主婦(55)はAEDやタオルを手に現場に駆けつけると、フェンスにぐったりとした様子の園児が挟まれていた。

 近くで血を流していた別の園児に「大丈夫?」と声を掛けたが、園児は「ママ、ママ」と繰り返し、次第に意識が薄れていった。主婦は「励ますことしかできなかった。見通しのいい交差点なので、こんな事故が起こるとは考えられない」と表情を曇らせた。

 現場付近の浄水場に勤務する男性(51)は同僚と現場に駆けつけた。「元気な子供と意識がない子供を分けて声をかけ続けるくらいしかできなかった」と振り返り、「思い返すと涙がこみ上げてくるほど辛い。1人でも多く助かってほしい」と話した。

 事故後、現場には規制線が張られ、多くのパトカーや救急車が集結。事故を悲しむ関係者らが訪れ、花やジュースを手向けた。子供が同じ保育園に通っているという女性は「言葉にならない」と涙を流した。

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