野田の小4女児死亡で市側が記者会見「守れる命守れなかった」「取り返しつかない」

 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡しているのが見つかり、父親の勇一郎容疑者(41)が傷害容疑で逮捕された事件を受け、野田市は31日、記者会見を開いて対応を陳謝した。会見要旨は次の通り。

 鈴木有・市長 これから人生が始まる心愛さんの命を救えなかったことをおわびする。市民にもおわびする。子供への投資を掲げ、全小学校を回り、「友達を作ろう」と呼びかけ、子供たちの施策を行ってきたのに残念だ。影響を最小限にするため、検証して再発防止に全力で当たる。

 佐藤裕・市教育長 おわびする。痛恨の極みであり、ご冥福をお祈りする。関係者に迷惑と心配をかけた。このような事件が二度と起こらないよう正面から向き合い、何ができていなかったのかを検証して再発防止に取り組む。

 問題点

 今村繁・副市長 今回の事件の実態を徹底解明し、再発防止策を講じるため、28日から副市長を中心に内部検証を始めた。

 既に見えた問題点は、県柏児童相談所と連携できていなかった▽市内部や関係機関との情報の共有や記録が不十分だった▽心愛さんの虐待の重篤性の認識が欠けていた▽要保護児童対策地域協議会の中で、特に学校との連携が不十分だった▽警察との情報共有が不十分だった-などだ。

 2月以降、再発防止委員会を設置し、二度と起こらないようにする。

 学校アンケート

 今村副市長 心愛さんが父親からの虐待を明かした、平成29年11月6日に小学校で行われたアンケートのコピーを、父親に渡してしまった。

 一時保護解除後の30年1月12日、心愛さんの父母、小学校、市教育委員会の三者が会談。児相は都合がつかず、市児童家庭課も父親と関係が悪かったので、参加しなかった。

 父親はアンケートのことを知っていたようで、コピーを渡すよう求めてきたが、心愛さんの同意を得ていなかったので、拒否した。

 だが、同月15日、心愛さんの手書きと思われる同意書を父母が市教委まで持ってきたので、アンケートのコピーを渡してしまった。

 矢部雅彦・指導課長 12日の三者会談で、父親は「訴訟を起こすぞ」「名誉毀損(きそん)だ」「保護が解除されたということは暴力がないという証拠じゃないか」などと大声を出し、恫喝(どうかつ)のようだった。父親の威圧的な態度に押されてしまった。配慮を欠いていた。

 今村副市長 アンケートは市情報公開条例の不開示情報にあたり、条例違反。職員の懲戒処分も検討している。事件への影響について、配慮不足だった。

 --アンケートを渡すことを決めたのは誰か。条例違反の認識はあったのか

 矢部指導課長 指導課内で決め、上司に相談することはなかった。条例違反の認識はなかったが、迷いはあった。だが、父親の威圧的な態度に屈してしまった。

 --アンケートには「ひみつをまもりますので、しょうじきにこたえてください」とあるが、秘密が守られなかったではないか

 矢部指導課長 私の判断で守れる命が守れなかった。取り返しのつかないことをしてしまった。

 --アンケートは今後も行うつもりか

 佐藤教育長 今後も行うが、扱いには十分気をつけるつもりだ。

 児相と学校の連携不足

 長妻美孝・学校教育部長 心愛さんの一時保護が解除されたのが29年12月27日だったが、学校が把握したのは、28日、父親からの電話を受けてからだった。

 --連携不足では

 小林利行・児童家庭課長 児童家庭課には27日に児相から連絡を受けていた。児相は市から学校に連絡が行くものだと思ったのではないか。児童家庭課から学校への連絡は怠った。

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