容疑者の権利か 真相解明か 弁護士会「取り調べ立ち会いを」

 刑事司法改革で録音・録画(可視化)や司法取引など捜査機関の取り調べが変容している中、取り調べに弁護士を立ち会わせるよう求める動きが、弁護士会を中心に活発化している。「公平な取り調べにつながる」と声が上がる一方、捜査現場は「真相解明が遠のく」と警戒する。日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(64)の事件で日本の刑事司法手続きのあり方が国内外で議論されているが、取り調べをめぐる動向も注目される。(矢田幸己)

 ■動きは70年代から

 「意見の押し付けだ。証拠に基づいて質問を」。取調官に気後れする容疑者。その脇に座った弁護士から指摘が飛ぶ-。平成30年11月30日、大阪市内で開かれた近畿弁護士会連合会主催のシンポジウム。「取り調べに弁護士が立ち会っていたら」との想定で、弁護士らによる寸劇が披露された。

 シンポで登壇した京都大大学院の大倉得史(とくし)准教授は「弁護士が取り調べに立ち会うと取調官はやりにくいだろうが、公正・公平な取り調べにつながる可能性がある」と話した。

 取り調べへの弁護士の立ち会いは、戦後から議論されており、1970年代には日弁連で法改正を求める動きがあった。近年では、平成23年から始まった法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」でも持ち上がったが、「支障が大きいとする強い異論があり、結論を得るのは困難」として議論の対象から外れた。

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