津波被災の岩手・大槌町旧役場庁舎の解体始まる

 東日本大震災の津波で当時の町長や職員計28人が犠牲となった岩手県大槌町の旧役場庁舎で19日、本体の解体工事が始まった。

 この日、午前9時20分すぎ、破砕する部分に散水しながら大型重機が2階西側部分の壁を崩し、バリバリという音が周囲に響き渡った。

 庁舎をめぐっては、解体するか保存するかで町を二分する議論となった。震災遺構として保存を求める住民団体「おおづちの未来と命を考える会」は、平野公三町長に工事の差し止めを求める訴えを盛岡地裁に起こしたが、17日の判決で地裁は退けた。

 解体工事はアスベスト(石綿)調査がされないなど手続きに不備があり、当初の日程より着手が遅れており、本来の予定日だった18日は強風の影響で作業を見合わせた。

 基礎などの撤去作業は2月下旬までを予定し、工期は3月25日までを見込む。町は震災を後世に伝えるため、当時庁舎にいた職員らが避難に使用したはしごなどを保存し、伝承に活用する方針。

 同町都市整備課の川野重美課長は取材に対し、「保存しようという動きもわかるし、遺族の方の意向もある。複雑な思いだ」と話した。

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