突然「出ていって」 大阪北部地震で借家トラブル

■「借り主の権利」

 借家の場合、ともすれば家主側が優位だと思いがちだが、「地震・台風借家被害対策会議」事務局の増田尚(たかし)弁護士(大阪弁護士会)は「借り主の権利は守られるべきだ」と明言する。

 同会議は、大阪北部地震などで借家被害に伴うトラブルが相次いだことを受け、大阪の弁護士や司法書士らが設立。京阪神地域の被災者を対象に無料の電話相談を実施したところ、11月末時点で21件の相談が寄せられ、半数以上が「家主が修繕を拒む」などの内容という。

 民法では「賃貸人(貸主)は、賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負う」と規定。また借地借家法では、家主から契約を打ち切るには賃料の不払いなど契約違反にあたる場合を除き「正当な事由」を求めている。正当な事由があっても、退去通告は6カ月前までに行わなくてはいけない。

 当然、家主側にも事情はある。大阪賃貸住宅経営協会の山本肇会長は「オーナーの多くは補助金を使うなどして修繕しているはず」とした上で、「借家のオーナーも高齢者が少なくない。自身が被災者となった人もおり、台所事情は厳しい。入居者の安全が確保されないまま住んでもらうわけにもいかず、一部ではやむなく退去を求めるケースもあるのでは」と話す。

 増田弁護士は「相談件数以上に悩んでいる借家の住人はいるのでは。住宅は生活の基盤。立ち退きなどは不当な要求であり、応じなくてよいと知ってほしい」と話している。

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