“報酬隠し”は氷山の一角?…監査関係者「ゴーン容疑者は巨額すぎた」

 株主などからの高額報酬批判を避けるため、本来の毎年の報酬20億円前後のうち、10億円前後を退任後に受け取ることにしていた日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)=金融商品取引法違反容疑で逮捕。企業監査の現場では、自分の報酬を少なく見せようとする経営者は少なくないとの声が聞かれるが、ゴーン容疑者については「あまりに巨額すぎた」との声が上がる。

 ゴーン容疑者は前代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)と共謀し、平成22~26年度の5年分の報酬を約50億円過少に記載したとして、東京地検特捜部に金融商品取引法違反容疑で逮捕された。

 東洋経済新報社の「役員四季報」によると、今年4月期までの1年間で、ゴーン容疑者の報酬は7億3500万円で全国18位。仮に有価証券報告書に20億円だと記載したとすると、ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長に次ぐ4位に躍り出ることになる。

 大手監査法人の関係者によると、一般的に企業の経営者は高額報酬ランキングの上位になれば、株主総会で批判の矢面に立たされるため、報酬を少なく見せるためあの手この手を使うのが実情という。

 その手法の一つが、子会社からの報酬の形を取ることだ。有価証券報告書に記載義務のある子会社からの報酬は「主な連結子会社」に限られるため、主な子会社でなければ記載しなくていい。企業によっては報告書の開示欄に「報酬に含めるのは主な連結子会社」とわざわざ注釈を書き加える場合もある。

 海外の大企業では経営者が巨額の報酬を受け取ることが多いが、国内では理解が得られにくいことも“報酬隠し”に拍車をかける。大手監査法人関係者はゴーン容疑者について「海外と同じくらいもらってもいいと思ったのだろうが、日本人の感覚からすれば巨額すぎた」と指摘している。

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