JR脱線事故慰霊式、現場で初めて開催へ 

 乗客106人が死亡し562人が重軽傷を負った平成17年のJR福知山線脱線事故で、JR西日本は17日、来年4月の追悼慰霊式を、事故現場に整備した慰霊施設「祈りの杜(もり)」で営む方針を発表した。脱線現場での慰霊式の開催は初めて。今後、遺族や負傷者らの意見を踏まえ、正式に決定する。

 追悼慰霊式は毎年4月25日に、兵庫県尼崎市内の現場から数キロ離れた別の施設で行っていたが、今年9月に祈りの杜が完成したことを受けて会場を移すことにした。ただ、現在も心情的な理由から事故現場に足を運ぶことができない遺族もいるといい、別会場を設けて式の様子を中継する案も報告された。

 この日は、同県伊丹市のホテルで負傷者や遺族を対象にした非公開の説明会を開催し、160人が出席。祈りの杜での式開催を前向きに受け止める声が上がる一方、「心情的に不安だ」と慎重な意見もあったという。

 事故で妻が重傷を負った同県川西市の中島正人さん(55)は「現場は事故を語る上で重要。そこで式を開くのは意味のあることだと思う」としつつ、「遺族や負傷者それぞれがいろんな思いを抱えているため、配慮は必要だ」と話した。

 また、JR西は同県姫路市内の倉庫で保管している事故車両について、7両すべてを保存し、来年度以降に社員の安全教育などに向けた活用を検討する方針も示した。

 来(き)島(じま)達夫社長は説明会後の記者会見で、「事故を引き起こした立場として、事実を直接自分たちの目で見て改めて悲惨さなどを感じ、安全を守るための大切なものとして使わせていただきたい」と述べた。

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