“風台風”が巻き起こす塩害、各地に爪痕なお 紅葉シーズン控えイチョウにも被害

 相次ぐ“風台風”の襲来で、海水から吹き上げられた塩分が陸上に飛散したことによる「塩害」が深刻化している。台風通過後に電柱と電線の接続部分に塩分が付着してショートし停電被害が広がったが、農作物や行楽シーズンを控えた観光地のイチョウが枯れるなど、いまだに尾を引いている。「今後どこまで被害が広がるのか」。関係者は頭を痛めている。

 ■イチョウ枯れる

 JR鎌倉駅(神奈川県鎌倉市)から鶴岡八幡宮に向かう参道を彩るイチョウ。陸側は紅葉前の青々とした葉が残るが、海側の葉は完全に枯れた。「まだ色づいてもいないのに」。11日に観光に訪れた横浜市の本多幸子さん(61)はため息を漏らした。

 鎌倉市などによると、海からの風が直接吹き込み、台風が巻き上げた塩の影響を受けた可能性があるという。市内では他にも被害が確認されたが、見た目では分からない影響を受けている木もあるとみられ、担当者は「11月の紅葉シーズンが来るまで全容は把握できない」と途方に暮れる。

 ■電線火災も発生

 塩害は、9月末に列島を縦断した台風24号がもたらした。太平洋沿岸で海から陸へ南からの暴風が吹き荒れ、海水の塩分を飛散させた上、その後まとまった降雨がなく、塩分が残留したことが原因とされる。

 台風通過直後には、各地で電線から火花が出る被害が確認された。電力中央研究所(東京)の本間宏也上席研究員によると、風で飛散した海水の塩分が電柱に電線を固定する「碍子(がいし)」と呼ばれる電気を通さない部分に付着。その後の湿気で電気を通しやすい塩水がついた状態となり、ショートした可能性が高いという。

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