海外贈賄、司法取引を初適用 タイの発電所めぐる疑惑で捜査協力、企業免責へ

 タイの発電所建設事業をめぐり、日本企業社員による現地公務員への贈賄疑惑が浮上し、東京地検特捜部と同社の間で共犯者の事件捜査に協力する見返りに刑事処分を軽減する「司法取引」(協議・合意制度)が成立したことが14日、関係者への取材で分かった。6月に司法取引制度が始まって以降、初適用となる。特捜部は今後、社員ら個人の刑事責任を追及する一方、法人としての企業の起訴は見送るとみられる。

 関係者によると、司法取引に合意したのは「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)。受注したタイの発電所建設工事で平成27年、資材を運搬した担当社員が、港湾関係の現地公務員らからの要求で数千万円を支払ったという。

 MHPSは内部告発を受けて社内調査した結果、外国公務員への贈賄を禁止した不正競争防止法違反に当たる恐れがあると判断し、特捜部に申告。司法取引制度導入後に両者で協議し、双方が「合意内容書面」に署名したという。

 特捜部は合意に基づいて企業を免責する傍ら、賄賂が多額に上ることから、現地社員の権限や本社幹部の関与など、指揮系統の捜査を進めるもようだ。

 不正競争防止法の規定では、外国公務員への贈賄について、個人には5年以下の懲役か500万円以下の罰金、またはその両方、法人にも3億円以下の罰金が科される。

 MHPSは「現段階でお知らせすることはない」とコメントした。

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