西日本豪雨 「少しでも癒やしに」断水地域で井戸水使い入浴を提供 吉川秀幸さん、犠牲者の男性の思い汲み

 断水が続く広島県東広島市河内(こうち)町で、無職の吉川秀幸さん(64)が自宅に引く井戸水を使った風呂を開放し、被災者を癒やしている。「みんなのために」との姿勢は、土砂崩れで犠牲になった近貞(ちかさだ)勝司さん(84)との生前の交流から学んだという。近貞さんの思いを胸に、被災者を元気づけている。(森西勇太)

 13日夕、吉川さんの自宅では、1週間前から避難生活を続ける福貞智大さん(24)が浴槽につかり、笑顔を浮かべていた。「湯加減はどうじゃ」と声をかけ、苦労をねぎらう吉川さん。福貞さんは「一人で湯につかったのは避難してから初めて。リラックスできました」と感謝しきりだった。

 日頃のボランティア活動の経験を生かし、7日朝から土砂崩れで塞がった国道の回り道をつくった吉川さん。避難所の運営にも携るなど、傷ついた町のために汗を流してきた。

 そんな中、親交のあった近貞さんの自宅が土砂に流され、行方不明になっていることを知った。無事を祈ったが願いは届かず、「頭が真っ白になった」と振り返る。

 約20年前から近貞さんと交流があり、2人は地域のイベントを積極的に企画。年齢は離れていたが「次はどんなことをやろうか」と、互いに何でも相談しあう仲だった。

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