外国公務員贈賄事件で初の「司法取引」合意 東京地検特捜部

 タイの発電所建設で現地公務員に現金を支払ったとされる贈賄疑惑をめぐり、東京地検特捜部と大手発電機器メーカーとの間で、共犯者の事件捜査に協力する見返りに刑事処分を軽減する「司法取引」(協議・合意制度)の合意が成立したことが14日、関係者への取材で分かった。6月に始まった司法取引制度で初の適用例となる。

 関係者によると司法取引に合意したのは三菱重工業(東京)と日立製作所(同)の火力発電事業部門が平成26年に統合した「三菱日立パワーシステムズ(MHPS)」(横浜市)。

 同社が進めるタイの発電所建設工事で27年、担当社員が資材を運搬した際、港湾関係の現地公務員らから要求され、数千万円を支払ったという。同社は社内調査の結果、社員の行為が外国公務員への贈賄を禁止した不正競争防止法違反に当たる恐れがあると判断し、特捜部に違反を申告していた模様だ。

 特捜部との合意は、会社側が社員に対する捜査に協力する代わりに法人としての同社の起訴を見送る内容とみられる。同法の外国公務員への贈賄には、実行行為者だけでなく法人に対する両罰規定がある。

 司法取引では検察官と容疑者・被告、弁護人が合意すると「合意内容書面」が作成される。取引は検察側、容疑者・被告側のどちらからでも持ちかけることが可能。自分の罪を軽くしようとする虚偽供述を防止するため、協議には弁護人が常時立ち会う。

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