コストコ崩落事故で高裁判決が責任言及 設計責任者ら3人再び不起訴 東京地検、異例の再捜査

 東日本大震災で東京都町田市のスーパー「コストコ多摩境店」の駐車場スロープが崩落し8人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた石川県の1級建築士(70)を逆転無罪とし、設計の総括責任者ら3人の責任に言及した東京高裁判決を受け、異例の再捜査をしていた東京地検は18日までに、3人を嫌疑不十分で再び不起訴とした。これで書類送検された4人全員の刑事責任が認定されず捜査は終結した。

 地検は1級建築士が変更した設計内容を総括責任者ら3人が十分に確認していたかなどを中心に再捜査を進めてきたが、「(3人を不起訴とした)当初の判断を覆すだけのものはなかった」(検察幹部)といい、3人の刑事責任を問うのは困難と判断した。

 事故は平成23年3月11日、震度5弱~5強の揺れでスロープが崩落して発生。2人が死亡、6人がけがをした。東京地検立川支部は25年12月、設計ミスがあったとして1級建築士を起訴する一方、総括責任者や前任の建築士ら3人は嫌疑不十分で不起訴とした。

 東京地裁立川支部は28年2月、設計変更を総括責任者に確実に伝えなかった過失を認め、1級建築士に禁錮8月、執行猶予2年の判決を言い渡した。

 だが、2審東京高裁は1級建築士は設計変更を書面で総括責任者らに伝えており、説明義務は果たしていたと指摘。1審判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。むしろ総括責任者にも同等の責任があり、前任の建築士にはより大きな責任があると言及していた。

 1級建築士の弁護人は産経新聞の取材に「高裁では3人の過失が指摘されたのに、捜査が終わってしまうのはおかしい。手抜き工事は誰の目からも明らかで、真相が分からないままだと遺族が納得しないのではないか」と話した。

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