千葉・9歳女児殺害の渋谷被告、依然黙秘 法廷で究明へ 捜査幹部は殺意立証に自信

 26日に起訴した渋谷恭正被告(46)について、千葉地検はこれまでの捜査でレェ・ティ・ニャット・リンさん(9)に対する殺意は明らかだったと判断、殺人罪での起訴に踏み切った。渋谷被告は4月14日の逮捕から事件について黙秘しており、犯行場所や時間など未解明のまま真相の究明は法廷に舞台を移す。

 「子供の首を絞めて殺意がないということはあり得るのか。犯行場所も時間も殺意の有無には無関係だ」。捜査幹部はこう指摘し、被告の殺意は明らかだとして立証に自信をのぞかす。

 地検は、収集した客観的証拠を踏まえ、渋谷被告がわいせつ目的で犯行に及んだ上で、リンさんを死に至らしめたと捉え、1つの行為が複数の罪を構成する「観念的競合」という概念に当てはまると判断。殺人と強制わいせつ致死の両罪を適用した。事件の悪質性と流れを明確にする狙いがあるものとみられる。

 過去に両罪に問われた事件は、平成16年11月に奈良で発生した小1女児誘拐殺人事件や、17年11月に起きた広島小1女児殺害事件などがある。奈良と広島の事件では両罪を認定した判決が確定した。

 ただ、起訴段階でも渋谷被告が犯行に及んだ具体的な場所、時刻、動機などは明らかにされなかった。リンさんと面識があった渋谷被告がなぜ犯行に及んだのか。謎は残ったままだ。

 今後、検察と弁護側双方が公判に向けて、争点を絞り込む公判前整理手続きに入り、手続き後は裁判員裁判で審理される。量刑はもとより、罪名そのものについて争われる可能性がある。

 辻本典央・近畿大法学部教授(刑法)は「殺意の立証には自白やそれに基づく犯行態様の裏付けが重要。今回の事件では被告は自白をしていない。わいせつ目的で、どのような行為があったかが、公判の焦点になるだろう」と指摘している。

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