「生き残った者として話す」茉莉子・瑠衣姉妹「父」の叫び…尼崎事件への思い:イザ!

2014.3.29 20:45

「生き残った者として話す」茉莉子・瑠衣姉妹「父」の叫び…尼崎事件への思い

 「あの人ではないか」。あきらめかけた3日目の夜、直感のようなものが働き、現れた一人の男性に駆け寄った。「茉莉子さんのお父さんですか?」。男性はうなずいた。「事件のことは思い出したくない。でも、生き残ったものとして話そうと思う」。そう言って重い口を開いてくれた。

 ■美代子元被告との出会い

 男性は以前、高松市内で保険代理店を経営し、元妻の初代さんと長女の茉莉子さん、次女の瑠衣被告の4人で平穏に暮らしていた。だが15年2月、男性宅に美代子元被告らが男性のおいの李正則被告(39)=殺人罪などで起訴=の世話をめぐって乗り込んできて、一家の生活は崩壊した。

 連日深夜3時まで「家族会議」として話し合いをさせられ、親族間の暴力を強要された。生活費などとして毎日のように数万~数十万円ずつ要求され、所持金がなくなると、近所をかけずり回って現金を集めた。

 軟禁状態の男性は仕事もできず、初代さんとの離婚を強要された。「茉莉ちゃんは暴力と空腹と恐怖で次第におかしくなっていった。幼かった瑠衣ちゃんは、次第に美代子元被告らに取り込まれていった…」

 何日も続く異常な生活。「このままでは死んでしまう」。すきを見て初代さんと茉莉子さんを逃がし、自分も逃げた。15年8月のことだ。

 ■家族の再会を信じて

 男性は友人宅を転々としながら、1年後の16年8月に尼崎市にたどり着き、偽名で生活を始めた。尼崎に戻ってきた美代子元被告らにいつ見つかるかという恐怖もあったが、「家族に会えるかもしれない」との思いから離れられなかった。

関連ニュース