腐った遺体、大量のハエ、ゴミ屋敷…「特殊清掃」の現場を見た

 男性は生前、この部屋に一人で暮らしていた。別居していた親族とは、ほとんど交流がなかったという。男性の死亡に気づいたのはアパートの隣人が異臭について苦情を申し立てたからだった。

 「これでは、あまりにも亡くなった方が浮かばれない」。痛切に感じ、特殊清掃の道を選んだという。

 ■希薄なコミュニケーション

 死後数カ月が経過してミイラ化した遺体が見つかった部屋、天井までごみで埋まるいわゆる「ごみ屋敷」…。清掃に赴く現場はどこも極限状態にある。過酷さに耐えられず、すぐに辞めてしまう社員も少なくないという。

 だが、30代の男性スタッフは「現場に行けば行くほど、命のありがたみを感じる」と話す。以前はトラック運転手をしていたが、東日本大震災で救援物資の搬送に携わり、「人の役に立つ仕事をしたい」と転職したのだという。

 孤立死といっても、死者は高齢者ばかりではない。自分と同世代が亡くなった部屋を担当したこともあり、そのたびにいたたまれない気持ちでいっぱいになったという。最期の別れができなかった家族の嘆きを聞くのも数知れない。

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