腐った遺体、大量のハエ、ゴミ屋敷…「特殊清掃」の現場を見た

 テーブルは女性が使っていたとみられる大量の塗り薬や綿棒、つまようじで乱雑に埋め尽くされていた。傍らに手紙の束もある。ずっと読み続け、昔を懐かしんでいたのだろうか。赤茶色に変色してしまっている。

 特殊清掃では遺品の整理も行うが、今回は女性の遺族らを探している最中ということもあり、スタッフらはこうした品々には手を触れず、部屋を後にした。

 ■「故人が浮かばれない」

 同社は、大阪を中心に近畿各地で特殊清掃を手がける。約15年前、社長の川上哲司さん(43)が中心となって立ち上げた。大阪市生野区の葬儀会社が実家で、家業を手伝っていた20代のころ、遭遇した1人の男性の孤立死が特殊清掃を始めたきっかけだったという。

 「父親が死んだのですぐに納棺を済ませてほしい」

 ある真冬の夜、実家にこんな電話がかかってきた。切迫した様子だったため、すぐに駆けつけた。目の当たりにしたのは腐敗し切った男性の遺体だった。

 アパートの1室には強烈な異臭が立ち込め、大量のハエが飛び回っていた。通常、冬は気温が低いため遺体の腐敗速度は遅い。しかし、男性の遺体はこたつに入っていたため激しく傷んでいた。骨まで露出した状態だったが、遺体を洗い清め、死に装束を着せて納棺を済ませたという。

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