震災2年9カ月 「津波見えない」高すぎる防潮堤…何を守るのか:イザ!

2013.12.12 08:21

震災2年9カ月 「津波見えない」高すぎる防潮堤…何を守るのか

 東日本大震災の発生から11日で2年9カ月を迎えた。被害の最大の原因となった津波を防ぐ防潮堤の整備や計画が進むが、「あり方」をめぐり議論が起こっている。「高すぎる」「津波が見えない」「景観を損なう」「誰もいないのに、なぜ必要か」。一方で、住民の命を守るために防潮堤は必要だとの意見もある。ぶつかり合う主張のはざまで模索が続く。

 11日夕、宮城県気仙沼市役所。市の半島部にある鮪立(しびたち)地区の人々が菅原茂市長と向かい合った。「防潮堤をめぐって地域の要望と県の計画に隔たりがある。後押しをお願いしたい」。自治会の下部組織、まちづくり委員会の鈴木伸太郎委員長(70)が訴えた。

 地区で県が計画する防潮堤は、高さ9・9メートル、長さ約540メートル、底辺の幅約60メートル。その上を2車線の道路が走る。自治会とまちづくり委は今月2日、防潮堤の高さを半分の5メートルとし、早期建設を求める要望書を村井嘉浩知事へ提出した。要望書には、住民566人の71%に当たる405人の賛同署名が集まった。

 浜では16人が津波の犠牲になった。鈴木さんはこの日、地区に建てられた慰霊碑に手を合わせてから、市役所へおもむいた。

 「防潮堤が不要なわけではない。でも、小さな浜に高さ10メートルの高速道路のような防潮堤ができると、自然環境や景観、生活の利便性、漁港の利便性…。さまざまなものが損なわれる。これからも海と生きていく浜にとって逆効果になる」

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