NHK予算、2年連続で全会一致承認ならず ビジョン「見えぬ」と批判

 NHKの予算が、全会一致での国会承認を2年連続で逃した。近年では、籾井勝人(もみい・かつと)会長時代(平成26~29年)に不祥事が相次ぎ、3年連続で賛成多数での承認となったが、与野党が全会一致で認めるケースが多い。反対した日本共産党と日本維新の会は昨年も同じ行動を取った。このうち、維新は昨年の通常国会で、放送と通信の融合時代でのNHKのビジョンが見えないことを理由に挙げ、今国会でもNHKの問題点を指摘。NHKにとっては昨年に続く厳しい結果となった。(文化部 森本昌彦)

かみ合わぬ質問と回答

 「放送と通信の融合ということがずっと言われてきた。で、あるにもかかわらず、放送と通信の融合に対するビジョンをしっかりと打ち出してこなかった。これは大きな問題だと思う」

 3月30日の参院総務委員会で、柳ケ瀬裕文氏(日本維新の会)はこう述べ、NHKの予算案に反対する意向を表明した。

 その直前、柳ケ瀬氏は 「テレビの保有が10%、20%しかない時代に突入していったときに、NHKは公共放送としての役割をどうやって果たしていくのか。これについてのビジョンを伺いたい」と尋ねた。

 NHKの前田晃伸会長の回答は「NHKは時代の変化に向き合い、いのちと暮らしを守る公共メディアとして、正確、公正・公平で豊かな放送サービスをテレビ、ラジオ、インターネットとあらゆる伝送路を使って届けることが重要だと考えている」という具体性に乏しい内容だった。

 この日の委員会では、自民党の二之湯智(にのゆ・さとし)氏や立憲民主党の小沢雅仁氏、公明党の若松謙維(かねしげ)氏らが質問。業務、受信料、ガバナンス(組織統治)の三位一体改革の進捗(しんちょく)状況や東京・渋谷の放送センター建て替え問題、NHKが予定している受信料値下げなどについて質疑が行われ、前田会長らNHKからの出席者は原稿を見ながら答える姿が目立った。

 ところが、柳ケ瀬氏が、NHKが資産として多額の有価証券を保有していることに対する認識を聞いた際には、前田会長が原稿にほとんど目を落とさずに「委員の指摘は良く分からない」と述べ、議論がかみ合わない様子も見られた。

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