フィギュアを1コマずつ…1人の日本人が7年かけ完成させた「狂気」 SFアニメ映画「JUNKHEAD」

【エンタなう】

 人類は遺伝子操作で不老長寿を得た代償に、生殖機能を失う。そこに環境汚染と新種のウイルスで、世界は滅亡に瀕していた。再び生命の源を求め地下の迷宮に潜入する“主人公”を描く壮大なSF映画「JUNK HEAD」。フィギュアを1コマずつ動かし、7年がかりの気の遠くなるようなアニメ手法で、たった1人の日本人クリエーターが完成させた。

 総コマ数約14万、監督・原案・キャラクターデザイン・撮影・音楽などほとんどをこなすのは堀貴秀氏。本職が内装業とあって、物語の世界観は緻密を通り越し、ほとんど変態じみている。もちろん褒め言葉である。

 “主人公”が回想する。自宅からバーチャルで、女性の教え子にダンスを手ほどき。リモートワークを強いられる現代と重なり、奇妙には思えない。だが、政府募集の地下調査員に名乗りをあげ、送り込まれた地底は、どこまでも不気味な異世界が続いていた。

 地下開発の労働力として人類が創造した人工生命体が反乱し、地下を乗っ取っている。グロテスクで、クセが強すぎる生き物たち。“主人公”は死と隣り合わせで、命の源を求める戦いに挑む。

 ギョッとする風貌や、きもかわいい姿…さまざまなフィギュアの完成度は高く、疾走感やユーモア、心が沸き立つアクションなどカメラワークも抜群。元となった短編作品から世界で称賛されてきたマニア垂涎のカルトムービー。1人だからこそ生み出せた狂気だろう。

 全国で順次公開中。(中本裕己)

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