中国でも鬼滅人気 取り残された“古参”アニメオタクの抵抗

 「すべてのオタクが『鬼滅の刃』を批判しているわけではないですが、時代が変わってきているのは確かですね。昔は中国語でオタクのことを『御宅族』(オタク族)とか『宅』(オタク)と呼んでいましたが、最近は『二次元』と言われることの方が増えていることなどが象徴的です」(八子氏)

 古い世代の濃い「御宅族」たちは、「中国での日本アニメはわしらが守る」という使命感に満ち溢れていただけに、普段は海賊版DVDで日本アニメを見ていても、映画公開時などお金を払えるチャンスがあれば喜んで支払っていた。しかし、配信サイトで簡単に作品を見られる今の「二次元」世代にはそこまでの熱はない。だから、5億7000万の再生回数があっても、劇場まで足を運ぶ人はどれだけいるかは未知数という見立てだ。

 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で、主人公以上の人気を誇る登場人物が煉獄杏寿郎だ。その決め台詞どおり、新世代オタクの「心を燃やせ」られるかどうかに、中国でのヒットはかかっているようだ。

 【高口康太】

 ジャーナリスト。翻訳家。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。中国の政治、社会、文化など幅広い分野で取材を行う。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『現代中国経営者列伝』(星海社新書)など。

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