NHK改革「受信料制度」に偏り 公共放送の役割論、乏しく

■営業方法は抜本的見直しへ

 もともと受信料の徴収率アップは、収入増を図ると同時に、支払っている世帯が抱く不公平感を解消するものでもある。この受信料契約を結ぶための営業活動に関しても、前田会長は会見で、従来の訪問に頼る方法を「抜本的に見直す」と述べた。

 NHKの営業活動には、以前からクレームが多く寄せられている。前田会長は「営業が頑張りすぎると、トラブルも増える」「成功確率が非常に低い」などと指摘し、各地のケーブルテレビ業者などとの協力を検討するもようだ。毎年、数百億円に上るとされる営業経費の削減にもつなげる考えだ。

 ただ、こうした受信料徴収の方法や営業活動の方法の見直しなどは結局のところ、枝葉の議論といってもいい。武田良太総務相は11月20日の分科会のあいさつで、「NHKが国民・視聴者からの支持が得られる公共放送となるよう、しっかり取り組んでいきたい」と述べている。買い物をする際、サービス内容が要望と合っていないのに、要求された額をそのまま支払う人はいない。多少時間がかかっても、ニーズに沿ってNHKの適正な業務範囲などを話し合わない限り、多くの国民の理解を得るのは難しいだろう。

 〈NHKの受信料制度〉 放送法により、NHKの放送を受信できるテレビなどの設備を設置した世帯や事業所は受信契約を結ばなければならないと定められている。テレビチューナー付きパソコンやワンセグ機能がある携帯電話も含まれる。口座振替かクレジットカードで2カ月ごとに支払う場合の月額は、地上契約が1225円、衛星契約も含め2170円。沖縄県は額が異なる。令和元年度の受信料支払率は約83%となっている。

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