麻実れい「三島作品の美しさと毒を」 没後50周年企画「班女」出演

 東京・有楽町の日生劇場で9月下旬、三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」で「班女(はんじょ)」(熊林弘高演出)が上演される。実子(じつこ)役で出演する女優、麻実れいは「三島作品の美しさと毒をお客さまにお見せできたら」と意気込む。

 「班女」は、三島が能の謡曲を近代劇に翻案した戯曲集「近代能楽集」に収録されている。オリジナルの「班女」(世阿弥作)は契りを交わしたのに戻ってこない男を待つあまり狂ってしまった女が、最後には男と再会するという筋立て。

 しかし、三島の「班女」はかなりひねりが加えられ、狂女は実際に迎えに来た男がかつて自分に約束した男だと認識できず追い返してしまう。そして実子の庇護(ひご)の下、男を待ち続ける状況が永遠に続くことを示唆したエンディングだ。

 麻実にとって、三島の近代能楽作品は「葵上(あおいのうえ)」「卒塔婆(そとば)小町」に続いて3作目の出演。「とても難しい役だが、やりがいもある」と話す。三島の戯曲について「言葉に流されてしまうと、キャラクターの心情がお客さまに届かない。一字一句を吟味しながら、魂で演じたい」と語る。

 共演の橋本愛、中村蒼(あおい)について「2人に共通して言えるのは品があり、美しいこと。『班女』のように美しさの中にドロドロとしたものがある作品は、(舞台が)きれいでないと見ていてつらくなる」という。

 「三島文学の素晴らしさを、それぞれの感性で楽しんでもらえたら。出演者はメッセンジャーとして、舞台から三島のメッセージをお届けしたい」と語った。

 公演は26日午後6時半開演、27日は正午・4時開演の2公演。一部配信もあり。「班女」のほか、「真夏の死」(加藤拓也作・演出/中村ゆり、平原テツ出演)がオムニバス形式で上演される。問い合わせは梅田芸術劇場(東京)、0570・077・039。

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