野党の愚直な政治家を17年追ったドキュメント 「なぜ君は総理大臣になれないのか」

 【エンタなう】

 東京では都知事選まっただ中、国会では解散風の兆候も。そんな中、野党の離合集散に翻弄されながら政治への情熱を愚直に傾け続ける男の17年間に肉薄したドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」が、じわじわ動員を伸ばしている。

 当選5期の小川淳也衆院議員(49)は、2003年「前例踏襲の官僚では社会は変えられない」と総務省を辞し、地盤・看板・カバンなしで、民主党から出馬。05年に初当選し、09年の政権交代では「政治が変わる」と目を輝かせた。それが、12年から安倍政権が始まると表情は苦悩に満ち、民進党の希望の党合流では“排除”のドタバタに巻き込まれる。街頭で「変節だ」と罵声を浴びる場面は痛々しい。

 政権の粗探しを嫌い、政策で勝負しようとすればするほど空回り。老いた両親は「政治家に向いてないのではないか」とまで本音を漏らす。

 党内では出世と無縁だが、「無私な姿勢に惹かれて」カメラを回し続けたのは、「ザ・ノンフィクション」「情熱大陸」などを手がけてきた大島新監督。普段着の素顔を与野党どちらにも寄らないニュートラルな目線で追った。定期的に会食するジャーナリスト、田崎史郎氏との意外な接点や、蓮舫氏の二重国籍問題への危機感の無さを憂う姿など、“弱い野党”の問題点も浮き彫りに。「政治家を笑っているうちは、この国は絶対に変わらない」という小川議員の言葉がズシリと響いた。順次公開中。(中本裕己)

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