カンヌ2020選出!ジブリ初3DCGアニメ「アーヤと魔女」 制作日数短縮と思いきや…実はセル技術が必要不可欠!?

 本来ならば5月末に最高賞が発表されたはずの第73回カンヌ国際映画祭。今月3日、5月の期間中に上映されるはずだった56本の「カンヌ2020」レーベルが公表された。

 選ばれた作品はカンヌ・グランプリ作家、河瀬直美監督の新作「朝が来る」(10月23日公開予定)や深田晃司監督作品で、森崎ウィン主演「本気のしるし 劇場版」(10月9日公開予定)は下馬評通りだが、注目は4本のアニメ作品の中に宮崎駿監督=写真(上)=が企画、長男の吾朗氏=同(下)=が監督を務めた「アーヤと魔女」があることだ。

 原作は「ハウルの動く城」のダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童文学。魔女の娘とは知らない少女アーヤが意地悪な魔女と暮らすことになった物語。上映時間は82分だが、注目はスタジオジブリ初の全編3DCG作品ということ。確かにジブリは昨年、新作長編アニメ作品の仕上げ(デジタルペイント)の求人を募っていた。

 「アーヤと魔女」はNHK総合テレビで今冬、放送が決定している。世界のジブリファンも注目している。フランス「20ミニッツ」のキャロリーヌ・ビエ氏も「大いに関心があります。1日も早く見たい」と世界初上映を心待ちにする。

 3DCGであれば、今までのような製作日数や多くの人材がなくても長編アニメ制作が可能のように思えるが、「3Dまでの過程でセルでの色彩技術などが必要不可欠です。ジブリ作品独特の他には例を見ない数々の微妙で精細な色合いを作り出すには、今までのジブリの技術の蓄積が欠かせません。将来的には製作日数も短縮できるでしょうが、初めてのことだけに試行錯誤もあるかと思います」と事情通。

 スタジオジブリは16年、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に「レッドタートル ある島の物語」が選ばれ、カンヌ入りした鈴木敏夫氏に取材が殺到、映画は映像の美しさと音のバランスが高評価で特別賞を受賞している。

 スタジオジブリ初の全編3DCG作品「アーヤと魔女」、ジブリの限りなき前進に世界は熱い視線を送っている。(小張アキコ)

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