「NHKのど自慢」、公開生放送再開は最短9月 コロナ第2波考慮し慎重に

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため3月から公開生放送を休止している「NHKのど自慢」(日曜後0・15)が、最短で9月に再開することが2日、分かった。局内には当初、今月末を目指す意見もあったが、一般参加者の健康を最優先した苦渋の決断。公共放送として今後、誰もが心から楽しめる最善の道を探るという。

 2日に発表された東京都の新型コロナ感染者が34人と一気に増加した。

 まだまだ油断できない中、NHKが一般人が出場する「のど自慢」の“解禁”に慎重な判断を下すことになった。

 同番組は、全国各地のホールで開く“出張公演”が主体だが、コロナの感染拡大を防ぐため、3月1日から公開生放送を中止。過去の特集や別番組を放送してきた。年間の日程を告知する番組の公式サイトでは、今月21日の愛媛公演まで中止を発表していた。

 この日、本紙の取材に応じた複数の関係者は「現状では参加者や演奏スタッフ、観客の安全を守り切れない」として7月12日までの公演中止が内定したと証言。同日以降から8月末までは当初予定されていた東京五輪の放送を見据え、元々公演予定はなく、公開生放送は最短でも9月の再開になるという。

 終戦翌年の1946年1月から70年以上続く「のど自慢」。世代を超えた歌声自慢の視聴者が参加して初めて成り立つ国民的番組でもある。生放送前日の予選には200組前後が参加し、本番でも出場者の家族、友人ら応援団ら大勢の観客が駆けつけるだけに、新型コロナ感染拡大の防止対策はより慎重を期す。

 このため、ある関係者は「予選、本番と2日にわたり密閉・密集・密接の3密状態になるのは明らか。もし保菌者がいれば、楽しいはずの歌や応援による飛沫で集団感染も招いてしまう」と指摘。ゲストの歌手も地方への移動が必然となる上、会場を無観客にしても、本来は感動を分かち合う合格の鐘が寂しく鳴り響くだけとなり、「のど自慢」本来のよさが発揮できないことになる。

 関係者は、こうした様々な角度から公開生放送再開の時期を総合的に判断したようだ。

 全国で緊急事態宣言が解除されたとはいえ、「のど自慢」は特に注意しなければならない側面を持つだけに、同関係者は「誰もが安心して歌い、楽しめる状況になってからでも再開は遅くない。そのための工夫にはまだ時間がかかる」と気を引き締めている。正式な日程などは近く同局から発表される見込みだ。

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