報ステ富川アナ感染で見えた「コロナ危機管理」の難しさ スタッフルームでは「3密」避けられず

 テレビ朝日の看板報道番組『報道ステーション』のメインキャスター、富川悠太アナ(43)が新型コロナウイルスに感染したことで、テレ朝にかぎらず、報道番組の制作現場には不安が広がっている。連日コロナ禍を報道し、恐ろしさは十分に理解していたはずなのに、管理責任が問われてもおかしくない。

 富川アナは入院中。現時点で共演者、スタッフに体調の異変はないというが、ともに月~木曜のメインキャスターを務める徳永有美アナ(44)、ニュース担当の森川夕貴アナ(26)は自宅待機中。

 番組のスタッフルームとスタジオを消毒する処置を取り、自宅待機中のスタッフは20人近くにのぼるともされる。テレ朝では番組制作を複数のチーム制とするコロナ対策を取っていたため、放送は継続されるが、スタッフの負担は大きい。

 富川アナは3、4日に38度台の発熱。すぐに熱は下がったが7日にたんが絡むようになった。9日に息苦しさを感じて10日入院。肺炎の症状があり、11日に感染が確認された。番組には9日まで出演していた。実際、7日の放送では本番中にたんが絡み、声がかすれる場面もみられた。

 企業の危機管理に詳しいエイレックスの江良俊郎社長は「企業の危機管理の観点から、一般企業でも体温を測ったり、疑わしい点があれば出社を停止する流れになっている。富川アナ本人や周囲が声がかすれていたことに気付いていたのなら、局側は早めに出演者を交代させるなどを対策を打つべきだったのではないか」と指摘する。

 テレ朝は『報ステ』は出演者やスタッフの安全確保に努めていたとしており、「通常の『3密』(密閉・密接・密集)を避け、手洗い・消毒・うがいの予防に加え、同時に出社するスタッフを極力減らし、他のスタッフとの接触を避け、作業エリア分け、スタッフの班分けやシフト分けを徹底していた」と説明する。

 しかし「出社時間をずらしても、スタッフルームでは十分な距離を取ることも難しく、結局3密状態は避けられない。さらに報道機関の使命感から、出演を続けた可能性は否定できない」と関係者は体勢の“穴”を指摘する。

 先の江良氏は「テレビ局側が十分な対策を取っていたというのなら、安全対策を講じていても感染するというインパクトが大きく、不安を広げてしまう。民主主義を支える報道機関が機能しなくなれば、われわれも情報を得られないことになりかねない」としている。

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