かつてない映像美 「ワンカット」で戦争を描く意義 「1917 命をかけた伝令」14日公開

 【話題の映画ウラのウラ】

 今年は、秋に第二次大戦の日米戦を描いたローランド・エメリッヒ監督の大作『ミッドウェー』が公開されるなど戦争映画が大きな話題となりそうだ。それは、至る所で戦争の火種が生まれ、紛争が絶えない世界情勢と深く結びついている。

 14日公開の『1917 命をかけた伝令』は戦争映画のトップを切ってスタートするが、第92回アカデミー賞で10部門にノミネートされたことからもわかるように、戦争映画の歴史に残る傑作といっていい。

 舞台は、第一次大戦の激戦が繰り広げられている1917年のフランス西部戦線。イギリス軍の若い兵士スコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)は撤退したと見せかけ待ち構えているドイツ軍の策略を、それとは知らずに追撃し続けるイギリス軍部隊に伝えるよう命じられる。メッセージが届けられなければ、1600人の友軍は全滅してしまう。2人は鉄条網をくぐり抜け、敵兵の影におびえながら危険地帯に足を踏み入れていく。

 映像派として知られる監督のサム・メンデスは本作を最初から最後まで一つにつながったワンカットで撮影した。同手法はヒチコック作品『ロープ』をはじめ、何度か試みられてきたが、どれも部分的ないし実験的段階にとどまっている。

 が、今回は戦場の恐怖と限界状況下で生きる人々を、かつてない映像美によってワンカットで描き、画期的な戦争スペクタクルを創造することに成功した。

 またこの映画が、スタンリー・キューブリック監督の『突撃』やフランシス・コッポラ監督の『地獄の黙示録』から多大な影響を受けているのは疑いない。偶然にも、28日には『地獄の黙示録 ファイナルカット』がわが国でも公開されるため、本作品と同時に大スクリーンで鑑賞できる。こんな機会は二度とないだろう。(瀬戸川宗太)

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