新井浩文被告に懲役5年求刑 「恐怖で抵抗できなかった」意見陳述に「疑問」

 派遣型マッサージ店の30代女性従業員に乱暴したとして、強制性交罪に問われた元俳優、新井浩文(本名・朴慶培=パク・キョンベ)被告(40)の論告求刑公判が23日、東京地裁で開かれた。法廷では被害女性が現在の心境をつづった意見陳述が朗読され、「恐怖で抵抗できなかった」などと主張。新井被告は「今まで抵抗したと主張してきたのに疑問」と納得できない様子で反論した。検察側は懲役5年を求刑。判決は12月2日に言い渡される。

 9月2日の初公判、同26日の第2回公判では冷静な口調で無罪を主張してきた新井被告。この日は被害女性の弁護人が意見陳述を朗読し、「(事件当時は)恐怖で思考が停止し、抵抗できなかった」などとする訴えに首をかしげた。

 公判の最後、証言台に立った新井被告は滝岡俊文裁判官から「最後に何かありますか?」と聞かれると、「今までは『ずっと抵抗していた』と主張していたのに、なぜ変わったのか疑問です」と不満そうに反論した。

 今回の争点は〔1〕暴行の有無〔2〕性交の合意があると誤信することはなかったかどうか。過去2回の公判で検察側は性交時、女性は「入れないで」などと訴え、両足を閉じたと説明。拒否の意思を示しており、誤信はないと主張していた。

 今回の意見陳述は公判の証拠としては採用されず、あくまで女性が現在の心情をつづったものだが、新井被告は誤信を訴える最後の機会ととらえて反論したとみられる。

 被害女性は1000万円と2000万円の示談金を拒否しており、「厳しい処罰を望む」と主張し、電車で男性に囲まれると「動悸が激しくなり、逃げ出したくなる」と説明。新井被告が第2回公判で、事件の流れを本人出演ビデオで再現したことには「気持ち悪い」と不快感を示した。

 一方、新井被告の弁護側は強制性交罪にあたる「相手の反抗を著しく困難にさせる暴行はなかった」などと主張。犯行時、新井被告は性器をこすりつける疑似性交(素股)を拒否されたが、「女性は風俗店的な行為をするのが嫌で断ったとも考えられ、性交を受け入れるかは別問題」などと付け加えた。

 検察側は論告で、新井被告は身長約20センチの体格差や部屋を暗くして犯行に及ぶなど「心理的に抵抗を困難にした」と指摘。「性欲のおもむくままに性交に及び、刑事責任を免れるために不合理な弁解をするなど真摯な反省も見られない。猛省を促す」として懲役5年を求刑した。

 新井被告は求刑の瞬間、伏し目がちに正面を見据えていた。

★弁護士の見解

 弁護士法人・響の代表弁護士、西川研一氏は懲役5年の求刑について「量刑的には法定の下限で、重くはない」と指摘した。強制性交罪では誤信などの認定が難しく「無罪のケースが続いている」とした上で「今回も有罪か無罪かを判断するのは難しい」と説明。もし有罪なら「示談も成立しておらず、被害者感情も激しいので求刑通り懲役5年の実刑になるのでは」と推測した。次回の判決は「法曹界でも注目度は高く、今後の強制性交罪の裁判にも影響を及ぼす」と話していた。

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