志磨遼平ソロユニット・ドレスコーズ最新アルバム「ジャズ」 ロマ音楽ベースに無国籍サウンド「緩やかに滅んでいく僕らの日常を描いた」

 元「毛皮のマリーズ」の志磨遼平(37)のソロユニット「ドレスコーズ」の最新アルバム『ジャズ』(キング)はロマ音楽をベースにした無国籍なサウンドが心地よく響く。しかし、テーマは「人類最後の音楽」とちょっとおどろおどろしい。志磨にアルバムに秘めた思いを聞いた。

 「そんな終末説のような感じじゃないんです。自分たちがどういう時代に生きているのかを俯瞰的に見たというか…」と志磨は笑う。

 令和という新時代を迎えた日本。来年は東京オリンピックが開催され、2025年には大阪で万博が開かれる。まるで幸せな未来が待ち構えているようだ。

 「果たして昭和のような熱狂が僕らに訪れるのかは疑問ですね。もしかしたら僕ら人類はすでにピークを迎え、今は緩やかに下り坂なのかもしれない。そう思い、危機感をあおるのではなく、気づかないぐらい緩やかに滅んでいく僕らの日常をモチーフにしたんです」

 『もろびとほろびて』という曲では、日常の生活を描きながら、どこかシニカルにその生活を見つめている。そして最後のフレーズで「この国でオリンピックがもうすぐある」と結ぶ。

 「今しか書けない歌詞。物質的には満ち足りてるけれど、何かが足りない。別にオリンピックに反対しているわけじゃないんですよ。来年には『やった、オリンピックが来たぞ』って曲を書いているかもしれないし」

 「人類最後の音楽」を謳うが、ディストピアを描くわけではない。どこかにユーモアや救いがある。ロマ音楽もアルバムの雰囲気を決定づけるのに役立っている。

 「単純に音楽的な興味なんです。ボスニア出身であるエミール・クストリッツァ監督の映画を見るようになって、劇中に登場する実在のバンドの来日公演も見にいって。で、自分もやりたくなったのがとっかかり。今回のアルバムのコンセプトとも相性がいいんじゃないかと」

 人類が遺すサウンドをしっかりを心に刻んでほしい。

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